介護
専門家の回答
クーリングとは?

発熱時に身体を冷やすことを「クーリング」といい、発熱による苦痛を緩和し体温の過上昇を防ぐ効果があると言われています。
しかし、感染症による発熱に対するクーリングは現在でも効果が分からないことも多いのです。
今回は、現在わかっていることの中から、クーリングの効果やタイミングをご紹介します。
熱が出た時にクーリングは必要?
熱が出てもすぐにクーリングをする必要はありません。
感染症にかかると、身体は病原菌を撃退するために体温を上げます。
寒気がしてぶるぶると体が震えている(シバリング)のは、体温が上がりきっていないため筋肉をなどを震わせて、病原菌を撃退するために熱を産んでいるのです。
体が震えている状態では、末梢の血管が締まるため手足が冷たいですが、体温がきちんと上がりきると体の震えは止まり、発汗して熱を放散します。
そのため、熱が出たからと言ってすぐにクーリングしてしまうと、病原菌を撃退する準備が遅れてしまうことになりかねません。
また、体が震えている状態では酸素の消費量が400%増加するため、長引かせることで苦しさが生じてしまいます。
クーリングのタイミングは?
先述の通り、体が震えていたり末端が冷えている時にはクーリングは控えるようにしましょう。
震えが止まり、手足が温かく、また発汗が見られる場合に、不快感や苦痛を取り除く用途として頭や頸部に氷枕をあてます。
冷却ジェルシートはつかえる?
冷却ジェルシートには体温を下げる効果はありませんが、ひんやりと気持ちの良い感覚が不快感を除去できることもありますので、お好みで使用いただければと思います。
発熱時に必要な対応
発熱が見られる場合には、ご本人の外出を避けるようにしましょう。ご家族や同居されている方も熱を測るなどの健康観察をして、不要不急の外出を避け、特に咳や発熱などの症状があるときには、出勤などは控えるようにしましょう。
自宅内でできる対応
家族間での感染を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?
インフルエンザやコロナウィルスは、主に感染者がが喋ったり咳をしたりしたときに出る飛沫を体内に吸い込むことで感染します。
家庭内は特に近距離で会話をしたり、同じ空間にいる時間が長く、同じお皿や鍋から食事を取ったりすることもあるので、感染症が広がりやすい環境と言えるでしょう。
家庭内に感染者が出た場合には、家庭内でしっかり感染対策を行う必要があります。
感染者と部屋を分けましょう
出来るだけ個室にして、食事や寝るときも別室とするようにしましょう。 お子さんがいる方や、部屋の数が少ない場合など、どうしても部屋を分けることが難しい場合には、少なくとも2mの距離を保つこと、仕切りやカーテンなどを設置することをお薦めします。 同じ寝室で寝るときには、頭の位置を互い違いになるようにするだけでも感染リスクを抑えることができます。

感染者のお世話はできるだけ限られた方が行うようにしましょう
持病のある方や、妊婦の方が感染者のお世話をするのは避けるようにしましょう。

マスクを正しく着用しましょう
マスクの正しく着用することは、感染症の拡散を防ぐために非常に重要です。
マスクは表面に汚れが付着するので、マスクの表面には触れないようにしましょう。取り外す際には、ゴムやひもを優しく持って外してください。
マスクを外した後は、手を洗うか、アルコール消毒を忘れずに行いましょう。
もしマスクが汚れてしまったら、新しい清潔なマスクに交換してください。マスクが手元にない時に咳やくしゃみをする場合は、ティッシュで口と鼻を覆ってください。

こまめに換気をしましょう
室内に風の流れができるよう、2方向の窓を、1回、数分間程度全開にするようにしましょう。 換気回数は毎時2回以上確保できると尚良いです。

みんなの手がで触れる部分はこまめに消毒しましょう
物に付着したウイルスはしばらく生存することが分かっています。例えば新型コロナウイルス(SARS-CoV2)の場合、紙では3時間、段ボールでは1日、木や布では2日、ガラスや紙幣では4日、プラスチックやステンレスでは7日経過までに死滅します※1 。ドアの取っ手やノブ、ベッド柵など共有部分は、アルコールや、薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤で拭いた後に水拭きしましょう。

まとめ
感染症発症による発熱は、基本的にクーリングは必要ありません。
不快感を取り除きたい場合は、体が震え体温が上昇しているタイミングは避け、発汗などがみられた際に全体の保温に留意しながら頭部や頸部を冷却するようにしましょう。
また、家庭内感染を防ぐために感染対策はしっかり行うことが大切です。
出典
在宅介護では、感染症による発熱も自宅でみなければならない場面があります。 今回は感染症による発熱時の対応の一つである、「クーリング」についてご紹介します。