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2024.02.21 作成

2026.08.12 更新

高齢者が発熱したら冷やす?クーリングのタイミングと自宅での対応【看護師監修】

母親が風邪をひいて熱がでました、寝苦しそうですが体は冷やした方がいいのでしょうか?

専門家の回答

専門家イラスト

在宅介護では、発熱した高齢者を自宅でみなければならない場面があります。熱が出たとき、「すぐに身体を冷やした方がいいの?」と迷う方もいるのではないでしょうか。今回は発熱時の対応の一つである「クーリング」について、行うタイミングや自宅で確認したいポイントをご紹介します。

高齢者が発熱したときは体温以外も確認しましょう

発熱している高齢者の様子を確認するイメージ

高齢者に発熱がみられた場合、まず体温を確認します。 ただし、体温が何度あるかだけで体調を判断するのではなく、普段の様子との違いや、ほかに症状がないかも確認することが大切です。

特に高齢者は、体調が悪くても症状をはっきり訴えられなかったり、典型的な症状が現れにくかったりすることがあります。 発熱があるときは、次のような点もあわせて確認してみましょう。

  • 呼びかけへの反応や意識状態に変化がないか
  • 息苦しさや呼吸のしづらさがないか
  • 水分をとれているか
  • 食事をとれているか
  • 尿が普段どおり出ているか
  • 咳、痰、鼻水などの症状がないか
  • 嘔吐や下痢がないか
  • 寒気や体の震えがないか
  • 強い痛みや、普段と明らかに違う様子がないか

また、「いつから発熱しているのか」「体温が上がっているのか、下がってきているのか」など、経過を記録しておくと医療機関へ相談する際にも役立ちます。

高齢者が発熱したら冷やした方がいい?

発熱したからといって、すぐに体を冷やさなければならないわけではありません。

感染症などによって発熱すると、体は体温を上げようとすることがあります。 その途中では、寒気を感じたり、ぶるぶると体が震えたり、手足が冷たくなったりすることがあります。

このようにご本人が寒がっている状態で無理に体を冷やすと、かえって不快感が強くなることがあります。 一方で、寒気や震えがおさまり、ご本人が「暑い」「つらい」と感じている場合には、心地よい範囲で体を冷やすことで不快感の軽減につながることがあります。

クーリングは、「熱が出たら必ず行うもの」ではなく、ご本人の状態や感じ方に合わせて行うことがポイントです。

クーリングとは?

発熱時などに、氷枕や保冷剤などを使って体を冷やすことをクーリングと呼びます。

発熱時のクーリングは、単純に体温を下げることだけを目的とするものではなく、暑さやほてり、不快感を和らげ、ご本人が少しでも楽に過ごせるように行われることがあります。

ただし、感染症による発熱に対してクーリングを行えば必ず体温が下がる、あるいは病気が早く治るというものではありません。 無理に冷やすのではなく、ご本人の状態を見ながら行いましょう。

クーリングのタイミングは?

クーリングを行うかどうかは、体温の数字だけではなく、ご本人の様子を見て判断します。

ご本人の状態 クーリングの考え方
寒気がある 無理に冷やさず、本人が寒くないよう調整する
体が震えている 無理に冷やさない
手足が冷たい 寒気や震えなど、ほかの状態も確認する
寒気や震えがおさまった 本人の不快感に応じてクーリングを検討する
暑がっている・ほてりがある 本人が心地よい範囲で冷やす
冷やすことを嫌がる 無理に行わない

クーリングではどこを冷やす?

発熱時に体を冷やす場合は、氷枕や保冷剤などを使用することがあります。 ただし、冷たいものを長時間直接皮膚に当てると、皮膚を傷める可能性があります。

保冷剤などを使用するときはタオルで包み、ご本人が「冷たすぎる」「痛い」と感じていないか、皮膚の状態に変化がないかを確認しながら使用しましょう。

なお、首やわきの下、足の付け根などを冷やす方法は熱中症時の冷却でも知られていますが、感染症などによる発熱と熱中症では体温が上昇する仕組みが異なります。 発熱時は「どこを冷やせば必ず熱が下がる」と考えるのではなく、ご本人の不快感を和らげることを意識しましょう。

冷却ジェルシートは使える?

冷却ジェルシートは、貼った部分にひんやりとした感覚を与えるため、ご本人が気持ちよいと感じる場合には使用してもよいでしょう。

ただし、冷却ジェルシートを使用することだけで発熱の原因を治療できるわけではありません。 あくまで、不快感を和らげるための補助的なものとして考えましょう。

高齢者が発熱したとき自宅でできること

発熱しているときは、クーリングだけでなく、ご本人が無理なく休める環境を整えることも大切です。

水分がとれているか確認する

発熱時は汗をかくなどして水分を失いやすくなることがあります。 水分摂取ができる状態であれば、ご本人の様子を見ながら少しずつ水分をとりましょう。

ただし、飲み込みに問題がある方や、心臓・腎臓の病気などによって水分量の指示を受けている方は、普段の指示に従ってください。

室温・衣類・寝具を調整する

発熱しているからといって、必ず厚着をさせたり、逆に薄着にしたりする必要はありません。 寒気があるのか、暑がっているのかをご本人に確認しながら、過ごしやすい室温や衣類、寝具に調整しましょう。

食事は無理をさせない

発熱時は食欲が低下することもあります。 食事が進まない場合は無理に食べさせるのではなく、水分がとれているか、普段と比べてどの程度食べられているかなどを確認しましょう。

薬は自己判断で追加しない

解熱剤などの薬については、医師や薬剤師から指示されている使用方法に従いましょう。 特に高齢者は複数の薬を服用していることも多いため、市販薬を新たに使用したい場合などは医師や薬剤師へ確認すると安心です。

高齢者の発熱で医療機関へ相談したい症状

高齢者の発熱では、体温の高さだけではなく、全身状態の変化にも注意が必要です。

次のような症状がみられる場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

  • 呼びかけへの反応が悪い、いつもよりぼんやりしている
  • 息苦しそう、呼吸が速いなど呼吸状態がおかしい
  • 水分をほとんどとることができない
  • ぐったりしていて起き上がれない
  • 強い痛みがある
  • 嘔吐や下痢などの症状が続いている
  • 普段と明らかに様子が違う
  • 症状が改善せず、悪化している

また、突然の高熱や急な息切れ・呼吸困難、意識の異常など、緊急性が高い症状がみられる場合には、救急要請が必要となることもあります。 判断に迷う場合は、かかりつけ医や地域の救急相談窓口などへ相談しましょう。

感染症が疑われる場合は家庭内での感染対策も

発熱の原因として感染症が疑われる場合は、ご本人のケアとあわせて、ご家族への感染を広げないための対策も意識しましょう。

手洗い・手指衛生を行いましょう

ご本人のお世話をした後や、食事の前などには手洗いや手指衛生を行いましょう。

手指衛生を行うイメージ
咳やくしゃみがある場合は咳エチケットを意識しましょう

咳やくしゃみなどの症状がある場合は、マスクの着用やティッシュなどで口と鼻を覆うなど、周囲に飛沫を広げないようにしましょう。

マスクを着用している女性
室内を換気しましょう

可能な範囲で室内の換気を行い、空気がこもらないようにしましょう。

室内を換気するイメージ

高齢者の発熱・クーリングについてよくある質問

38度以上の発熱ならすぐに冷やした方がいいですか?

体温が何度あるかだけで、クーリングが必要かどうかを判断するものではありません。 寒気や震えがある場合は無理に冷やさず、寒気がおさまって本人が暑がっている場合などに、心地よい範囲でクーリングを行いましょう。

高齢者は何度から発熱ですか?

一般的な体温の目安だけではなく、普段の平熱と比べてどうか、体調に変化がないかを見ることが大切です。 普段より体温が高く、体調不良がみられる場合は経過を確認しましょう。

冷却ジェルシートを貼れば熱は下がりますか?

冷却ジェルシートは、貼った部分に冷感を与える目的で使用するものです。 本人が心地よいと感じる場合には使用できますが、それだけで発熱の原因が改善するわけではありません。

高齢者が発熱したらすぐに病院へ行くべきですか?

発熱の程度だけでなく、呼吸状態や意識、水分摂取の状況、基礎疾患などによって対応は異なります。 発熱などの症状があり受診について迷う場合は、まずかかりつけ医など身近な医療機関へ相談しましょう。 緊急性が高い症状がみられる場合には、救急要請が必要となることもあります。

まとめ

高齢者に発熱がみられたときは、体温だけを見るのではなく、呼吸や意識、水分摂取の状況、普段との様子の違いなども確認することが大切です。

寒気や体の震えがあるときは無理に冷やさず、寒気がおさまり、ご本人が暑さや不快感を感じている場合には、心地よい範囲でクーリングを行いましょう。

また、高齢者では発熱の背景に感染症などが隠れていることがあります。 「いつもと違う」と感じる場合や、呼吸・意識状態などに変化がみられる場合には、クーリングだけで様子を見続けず、医療機関へ相談することも大切です。

参考

この記事を監修した人

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野崎理香 / 正看護師

正看護師として、がん専門センターおよびリハビリ病院に勤務後、訪問看護の現場に従事。
日々のケアを通じて、「本当は聞きたいことがあるのに、時間に追われて質問できない」という利用者様の声に直面し、その課題を解決するため、介護情報サービス「ケアポケ」の立ち上げに参画。
現場での実体験をもとに、看護や在宅ケアに関する実践的な情報提供と記事の監修に取り組む。

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