介護
専門家の回答
在宅介護の基本は「無理をしない」
親や義両親の介護は義務ではありません。昔の考えでよく「親の介護は子の義務」「親を見捨てるなんて親不孝者だ」という意見が多かったかと思います。
しかし自分の生活を犠牲にしてまで行う必要はないのです。
今介護保険を利用せずにご家族や同居されている方が全ての介護を担っているのだとしたら、役所の窓口か地域包括支援センターまでご相談ください。
ご本人が拒否をしているから、とおっしゃられる場合でも介護保険は利用できます。専門家と一緒にどうしたらいいか考えましょう。
「扶養義務」はあるが「介護義務」はない
ここでいう法律上の扶養義務とは、「扶養義務者の収入や社会的地位に応じてできる範囲内で行えばよい」※1とされており、介護費用は親の財産でまかなうことが原則※1です。
もちろん食事を与えない、弱っているときに放置をするなどは保護責任者遺棄に当たりますので、注意をしましょう。
介護サービスを積極的に利用する
心身の負担を強く感じられる前に自分の身体や生活を最優先し、介護サービスの利用を検討してみてください。
要介護認定を受けていれば、介護保険を利用して所得に応じて1-3割の自己負担で介護サービスを利用できます。
デイサービスの利用
デイサービス(通所介護)は、利用する方が自立した生活を送ることが出来るようにするために、家族の介護負担を軽減などを目的として実施します。
送迎付きであることや、デイサービスにいる間に入浴支援、食事の提供やリハビリテーション、レクリエーションなどをのサービスが提供されます。
介護施設への入所
在宅介護では限界が来ることも多々あります。
昔は家族のことは家族で見守る、助け合うことは美徳であると考えられていましたが、核家族化や高齢化社会などの影響もあり、介護保険制度が生まれました。
どうしても、家族を施設に預けることに抵抗がある、罪悪感を感じる、という方は少なくありませんが、介護施設ではプロの介護士のサービスが受けられるため、安心感があるというメリットもあります。
レクレーションやリハビリなどのサービスもあるので自宅では行えないようなサービスを受けられますし、他の介護者たちと仲良くなったりと本人にもメリットが多くあります。
施設に預けるのは不安だという場合は、見学に行ってみるのも良い方法です。
まとめ
介護は身体的にも精神的にも負担が大きいです。
あまりにも介護が辛くなってしまった時には、介護施設への入所も検討してみてください。
ご本人の意向も大事ですが、無理をし過ぎて家庭が崩壊してしまうケースは少なくありません。
また、どうしても在宅介護を続けたいという場合は、介護で感じているストレスの原因が何であるかかを考えたり、休養をしっかり取ったりするなどして自分の時間を大切にして息抜きを行うようにしましょう。
デイサービスや、ショートステイなどの介護サービスを積極的に利用してみてください。
息抜きしたい時だけデイサービスやデイケアを利用することもできます。選択肢の幅は広いので、自分に合った方法で介護のストレスから解放されましょう。
介護する側の生活やメンタルケアは非常に大切です。一人で抱え込まずに、地域包括センターやケアネージャーに相談してみましょう。
もしも誰かに話を聞いて欲しい場合は、こちらをご覧ください。
SNS相談|困った時の相談方法・窓口|まもろうよ こころ|厚生労働省
身近な人の介護で心がいきづまったら読む本
こちらの書籍では、日々介護に携わる医師と、介護の専門家の共同著書となります。まだまだ介護を家族の誰か一人に押し付けてしまう考え方がなくなりませんが、介護を楽に行えるよう背中に手を当ててくれる、そんな内容となっています。
出典
在宅介護を始めて、介護者がストレスを抱えてしまい鬱病になってしまうケースは少なくありません。
また身体的にも大きな負担がかかりますので、腰を痛めてしまったり、認知症の親が暴れてしまい怪我をしてしまうことも。
ご自分の時間もありませんよね。そんな時に相談出来る場所についてご紹介します。