介護

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2022.06.30 作成

2023.01.24 更新

「在宅介護」と「施設介護」で悩んだら?それぞれのメリット・デメリットについて徹底比較

認知症の進んできた父をこのまま家でみるか、施設に預けるかで悩んでしまいます。

専門家の回答

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在宅介護にするのか、施設介護にするのかについては、介護に関わる方なら誰もが直面する悩みではないでしょうか。
今回は在宅介護と施設介護を比較していきましょう。

まずは要介護認定を受けましょう

高齢者と家族

介護が必要となった時在宅・施設に関わらず、まず最初に介護保険制度による要介護認定を受けることをお勧めします。
介護保険制度によって、介護サービスを1〜3割の自己負担で利用可能です。
要介護認定の申請方法についてはこちらの記事をご確認ください。

要介護度によって変わる

厚生労働省によると「介護サービスの利用実態をみると、要介護1~3の人は居宅サービスの利用が多い一方、重度(要介護5)の人は施設サービス利用が半数を超えています※1
また同じく厚生労働省による調査にて、同居している主な介護者が1日のうち介護に要している時間をみると、「必要な時に手をかす程度」が40.2%と最も多い一方で、「ほとんど終日」も22.8%となっている。要介護度別にみると、要支援1から要介護2までは「必要な時に手をかす程度」が最も多くなっているが、要介護3以上では「ほとんど終日」が最も多くなっており、要介護4以上では約半数がほとんど終日介護している※1という結果が。
このように要介護度によって介護者の負担が大きく変動しますので、今まで介護をしていても介護度が上がったタイミングで施設介護へ移行した方が良い場合があります。

本人の希望

介護はご家族の意向はもちろん、ご本人の希望も重要となります。
家族は家で介護をしたいと思っていたが、本人は家族に迷惑をかけたくないから施設に行きたいなど、それぞれにお話を伺うと意見は食い違っていることは多々ありました。
「どこで最後を迎えたいのか」によって介護の場は変わってくるものです。住み慣れた家で過ごしたい、家の環境が整っていないため施設に入所したい、家族に迷惑をかけたくないので施設が良いが時々家に帰りたいなどなど・・・。
またご本人が希望しても、金銭面やご家族の準備ができていないなどで、要望が通らないこともありますが、まずはご家族で話し合いをすることが大切だと感じます。

在宅介護と施設介護それぞれのメリット・デメリット

在宅介護

メリット

在宅介護のメリットとして以下が挙げられます。

  • 住み慣れた自宅で生活ができる
  • 友人・知人との関わりを保てる
  • 家族とすぐに会える

まず住み慣れた自宅で過ごせ、友人・知人との関わりを保つことは安心して生活が出来るということの他に、認知症予防にもなります。
急な環境の変化や、友人との関わりを絶たれることで脳への刺激が低下し、認知症症状が出現することも。もちろん必ずではありませんが、施設へ入所ししばらくして忘れっぽくなる、抑うつ傾向が現れるという方もいらっしゃいます。

デメリット

次に在宅介護のデメリットについてお答えします。

  • 介護者への心身の負担が大きい
  • 介護者への社会的な負担が大きい
  • 家族間の関係が悪化する可能性がある
  • 介護に適した設備などを導入する必要がある

ここで挙げたように、在宅介護は介護者への負担が非常に大きいです。要介護度にもよりますが、先述の通り要介護3からは終日介護に費やしている方が多く、介護者の心身の疲労は計り知れないものとなります。
なかなか自身の時間を取れず、在宅介護が終わった後一時的にでも社会から孤立してしまう方は少なくありません。
介護者が複数人いて助け合える環境かどうかも在宅介護を選択するかどうかのポイントとなるでしょう。
また、上記の通り介護者への負担が大きいことからどうしてもストレスでイライラしてしまい、家族間での喧嘩が絶えない、場合によっては絶縁してしまうことも。

自宅介護は介護を必要とする本人にとってはメリットも多いですが、介護者への負担が甚大であるため、介護の訪問サービスやデーサービスの利用などをうまく組み合わせていくことをお勧めします。

施設介護

メリット

次に施設介護のメリットについてご説明します。

  • ご家族の負担が減る
  • 必要なサービスがすぐに受けられる
  • 介護に必要な設備が揃っている
  • ご本人が他の入所者や施設の職員など様々な人と関わることができる

一番のメリットは家族の負担がグッと減ることではないでしょうか。施設によっては洗濯や衣替えなどを家族へ依頼することもありますが、家族自身のタイミングで出来ますので、在宅介護と比較するとかなり負担は軽減されるでしょう。
また、介護士や事業所によっては看護師も常駐している施設がありますのでどういったサービスの提供があるか事前に確認しましょう。
そして介護施設にはいろいろな人と関わる機会があります。自宅で塞ぎ込んでしまっていたり、友人を亡くして近所に関われる人がいなくなった方も、施設への入所で生き生きされることも。

デメリット

次に施設介護のメリットについてご説明します。

  • 経済的な負担がかかる
  • 集団生活によりご本人がストレスを感じる

施設介護は在宅介護と比較して費用がかかる場合が多いです。
ご本人の貯蓄や年金の受給額から不足している場合はご家族が負担をするケースも。
また不特定の人とコミュニケーションを取ることが苦手な方にとっては集団生活をストレスに感じられることもあります。

まとめ

在宅介護、施設介護とともにメリット・デメリットが存在します。
在宅介護から施設介護に移行する方も、その逆もありますので今の状態や環境に合った方法を取り入れてみましょう。

出典

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