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男性介護者にも使いやすい!シンプル設計の介護用品おすすめ特集

先月から親の介護を始めた男性介護者です。介護用品はどうしても女性向けのイメージが強く、男性が使いやすいアイテムが分かりません。男性介護者におすすめの介護グッズがあれば選び方なども交えて教えて欲しい。

専門家の回答

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介護は女性が行うものというイメージがありましたが、近年は男性も積極的に介護に関わっています。
介護を行う男性の中には、「思ったより介護って大変だ」「もっと便利な道具はないのかな?」と介護が楽になる便利グッズをお探しの方もいらっしゃると思います。
本記事は、介護に携わる男性の負担を減らすおすすめの介護用品をご紹介します。

はじめに

男性介護者にも使いやすい!シンプル設計の介護用品おすすめ特集

介護は力のいる仕事です。
その面では男性が活躍する場面は多いでしょう。
しかし、介護は多くの動作を補助する必要があります。
食事で考えると、食卓への移動、椅子への着座、食器の準備、食事のサポート、食後の片づけと多くの作業があることに気づきます。
力仕事以外でも介護には大変な工程が多いのです。

そこで役に立つのが介護用品です。
介護用品は女性向けのイメージが強くありました。
例えば、歩行器は女性に好まれるデザインが多くあります。
介護用品を使う際に男女問わず「見た目」は商品を選ぶ際の大きなポイントになっています。
最近では、歩行器や杖は男性をターゲットにした男性に好まれるデザインの商品も多く発売されています。

介護のポイントは“いかにシンプルにできるか”ということです。
先にお伝えしたとおり、介護には多くの工程があり、毎日行うことです。
複雑なことや手順が多いと大きな負担になります。
そんな介護を楽にする介護用品は多くあり、シンプルで直感的に使えることが非常に重要です。

男性介護者に「シンプル設計」が向いている理由

男性介護者が使用する介護用品はシンプルである必要があります。
その理由をひとつずつ見ていきましょう。

ストレス軽減になる

介護は多くの工程を毎日行うものです。
その中で介護用品の使い方が複雑だと、負担が積み上がり大きなストレスになります。
食洗器で洗えない食器は後片付けが手間になり、間違って食洗器に入れてしまった時に大きなストレスとなります。
シンプルで気を遣わないことがストレス軽減になるのです。

感覚的に使える

動作としてあまり頭で考えずに感覚で使用できることは大きなメリットになります。
自然な動作で行うことで時間短縮になり、作業が増えずに負担も減ります。
例えば、最近の車いすは操作するレバー類が黄色で統一されており、感覚で操作できるようになっています。
シンプルなデザインは時間短縮に繋がります。

説明書不要ですぐ使える

説明書は必ず確認するものですが、説明書を見なくてもすぐに使えることは大事なことです。
介護用品がすぐ使えれば、負担が減り便利に生活できます。
例えば、電動ベッドはボタンのデザインでどこが動くかすぐ分かりますし、高さや角度がディスプレイに表示されます。
練習や準備が少ないことは大きなメリットです。

【目的別】男性でも扱いやすい介護用品おすすめ

この章では、介護の各シーンに合ったおすすめの介護用品を紹介します。

入浴・清拭関連

シャワーチェア

入浴で便利なのは、シャワーチェアと呼ばれる浴室で使うお風呂用の椅子です。
脚部にゴムがついており、滑りやすい浴室でも安全に使用できます。
サイズは大中小とあるので、浴室の広さと使用者の体格に合わせて選びましょう。
ほとんどの機種が折りたたみ可能で、片手で操作できます。軽量な物がおすすめです。

清拭シート

体調や身体の状況から入浴が難しい方も多くいます。
そういった方には、蒸しタオルで体をふく清拭を行うことが多いです。
清拭では、タオルの準備や片付けが大変です。
使い切りタイプの清拭シートがあり、準備や片付けの必要がなく便利です。

排泄関連

大人用紙パンツ

排泄に欠かせないのが、大人用の紙パンツです。
紙パンツはパンツ型とテープ型の2つに大きく分かれます。
ある程度体が動く方ならパンツと同じ様に着用できるパンツ型が良いでしょう。
パンツと吸水パッドが簡単に破ることができ、汚れたオムツを簡単に外せる物がおすすめです。
パンツと吸水パットが分かれており、パッドだけ交換できる物もあります。

におい対策のゴミ箱

排泄には臭いの問題があります。
そのため、汚染物を捨てるゴミ箱にも工夫が必要です。
臭いを密閉するゴミ箱があり、非常に便利です。
二重蓋になっているものや、ラップでオムツを包む機種があります。
予算やサイズでお部屋に合ったものを選びましょう。

食事関連

滑りにくい食器

高齢になると手指の力は弱くなり、スプーンなどの食器を持つことが難しくなります。
掴みやすい様にスポンジがついたスプーンやグリップがついた箸がおすすめです。
スプーンの金属部は自由に曲げられるようになっているので、すくい易い角度に調整することもできます。

洗いやすいエプロン

食事ではエプロンを使うことが多くあります。
食べこぼし対策のされた長めのエプロンがおすすめです。
先端をお盆の下に敷き込むことで、食べこぼしを受け止めることができます。
頻繁に洗濯するので、乾燥機に掛けられるものを選びましょう。

移動関連

介助用ベルト

立ち上がりを補助する時に、介護される方の服を掴むことが多くあります。
衣服が破れたり、服が食い込んで痛みが生じるので介助用ベルトがおすすめです。
持ち手がついたベルトをお腹に巻くことで、立ち上がりの動作を補助できます。
介護する側、される側がともに痛みなく動作を行うことができます。

ポータブルトイレ

トイレへの移動が難しい場合にはポータブルトイレをお部屋に置くことがあります。
樹脂製と木製の2種類があり、見た目や用途で使い分けます。
ベッドサイドに置き、乗り移り動作の時に肘掛け部分がお尻に当たることが多いです。
ワンボタンで肘掛けが昇降する機種が便利です。

見守り関連

見守りカメラ

仕事中や夜間に目が離れる時には、見守りカメラが便利です。
心配になった時にスマホでお部屋の状況を確認できます。
転倒や体調変化を早期に発見することができて便利です。
別居の家族が本人の様子を定期的に確認することもできます。
身体の動きに反応するセンサータイプもあります。

呼び出しブザー

本人が離れた家族をお部屋に呼ぶためのブザーがあります。
病院のナースコールの様なイメージです。
戸建ての家なら問題なく通信でき、2階と1階で生活スペースが分かれている場合など便利に使用できます。

購入前にチェックしたい「選び方のポイント」

介護用品を購入する時にはポイントがあります。
今回は4つのポイントを紹介するので、購入前に確認してみましょう

サイズ感

購入前にはサイズを確認しましょう。
シャワーチェアやポータブルトイレなどは大きさが重要です。
大きすぎると扱い辛いですし、小さすぎると本人の身体に合わないことがあります。
テーブルなどは食事の時に出し入れすることが多いので使用しないときに収納できるようにサイズ感を検討しましょう。

サポート体制

サポート体制も重要です。
メーカー問い合わせも可能なので、見守りセンサーなど設定が必要なものは事前にメーカーを調べてから購入するのが良いです。
最も良いのは、福祉用具専門店で購入することです。
業者によりますが、配達してくれるところが多く、購入後も使い方のアドバイスや壊れた部品の発注も可能です。

メンテナンス性

毎日使う介護用品はお手入れのしやすさも事前確認しましょう。
ポータブルトイレでいえば、水に弱い木製より樹脂製の方がお手入れがしやすいです。
また、食事のエプロンやベッドで使う防水シーツは乾燥機にかけられるものとかけられない物があるので、洗濯のしやすさも確認しましょう。

事前のデモ使用

最も大事なポイントは試してから購入することです。
介護用品の展示会では実際に商品を使用したり、説明を聞くことができます。
近くで行われる介護用品の展示会情報を確認してみましょう。
全国的には4月に行われる大阪でのバリアフリー展、10月に行われる東京での国際福祉機器展があります。
また、介護用品専門店では購入前にデモ使用できる商品もあるので相談してみましょう。

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仕事中でも安心できる見守りカメラ

仕事で家を離れる際に、部屋の様子を確認できる見守りカメラは非常に便利です。
別居の家族がふとスマホで様子を確認した時に、本人が転倒していたというケースがあります。
独居の高齢者が転倒し、半日そのままだったということは多々あります。
見守りカメラは、体調変化やトラブルを早期発見できる便利グッズです。

力を使わないスライディングシート

電動ベッドを使用している方は、ベッドを起こした際に足元側に体が滑り落ちていくことが多くあります。
脇を抱えて元に戻すと、本人に痛みが出ます。
スライディングシートと呼ばれる体を移動させるシートを体の下に敷き込むことで、力を入れずに容易に体の位置を変えることができます。
お互いが楽になり、関係も円満です。

まとめ

介護は大変なことが多いです。自分で抱え込まずに、うまく道具を活用しましょう。
介護用品を使うことで介護の負担が減り、無理なく続けることができます。
介護される本人も、介護者に迷惑をかけていると感じる方が多くいます。
簡単に使用できる介護用品は、介護される側から見ても介護者の負担が軽減されるのを感じられるので、気持ちが楽になります。
すべてのニーズに対応する介護用品は少なく、サイズを優先するのか、シンプルさを優先するのかは人それぞれです。
自分の介護にあった道具を使い、介護する人、される人が無理なく介護を続けられるようにしましょう。

この記事を監修した人

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野崎理香 / 正看護師

正看護師として、がん専門センターおよびリハビリ病院に勤務後、訪問看護の現場に従事。
日々のケアを通じて、「本当は聞きたいことがあるのに、時間に追われて質問できない」という利用者様の声に直面し、その課題を解決するため、介護情報サービス「ケアポケ」の立ち上げに参画。
現場での実体験をもとに、看護や在宅ケアに関する実践的な情報提供と記事の監修に取り組む。

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