病気・症状

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2026.09.29 作成

2026.09.30 更新

高齢者の皮膚がめくれた・裂けたときは?スキンテアの対応と予防

高齢の母の腕がベッド柵に少し当たっただけで、皮膚がめくれて出血してしまいました。以前から青あざもできやすく、テープを剥がしたときに皮膚まで剥けたこともあります。こうした傷はどう対応すればよいのでしょうか?

専門家の回答

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高齢者の皮膚は薄く傷つきやすくなっているため、軽くぶつける、こする、テープを剥がすといった日常の小さな刺激でも皮膚が裂けることがあります。こうした傷を「スキンテア」と呼びます。
皮膚がめくれたときは、無理に皮膚を切ったり剥がしたりせず、傷を清潔に保ち、出血や傷の広がりがある場合は医師や看護師へ相談しましょう。

スキンテアとは?

スキンテア(皮膚裂傷)は、摩擦やずれによって皮膚が裂ける急性の皮膚損傷です。高齢になると皮膚が薄く、弾力も低下するため、日常生活の中のわずかな刺激でも起こりやすくなります。

日本創傷・オストミー・失禁管理学会では、ベッド柵や車椅子のフレームに腕や足をぶつける、介助中に皮膚をこする、テープを剥がすといった場面をスキンテアの代表的なきっかけとして紹介しています。

高齢者はなぜ皮膚がめくれやすい?

年齢を重ねると皮膚は薄くなり、乾燥しやすくなります。皮膚を守る力が低下するため、若い頃なら問題にならなかった程度の刺激でも、皮膚が裂けたり内出血したりすることがあります。

  • 皮膚が乾燥している
  • 浮腫がある
  • 腕やすねなど皮膚が薄い部分が露出している
  • ぶつけやすい場所にベッド柵や家具がある
  • テープや絆創膏を使用する機会が多い
  • 介助時に腕や足を握られることが多い
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高齢者では、強くぶつけたわけではないのに大きな内出血ができたり、ほんの少しベッド柵や車椅子に当たっただけで皮膚がめくれたりすることがありました。
浮腫が強い方や皮膚がカサカサしている方では特に傷つきやすく、「これくらいなら大丈夫」と思う刺激でも皮膚トラブルにつながることがあります。

スキンテアが起こりやすい場面

  • ベッド柵に腕やすねをぶつける
  • 車椅子のフレームやフットレストに足をぶつける
  • ベッドから車椅子へ移乗するときに皮膚をこする
  • 着替えのときに衣類が皮膚へ引っかかる
  • 入浴介助で身体を強くこする
  • 医療用テープや絆創膏を剥がす
  • 体位変換のときに腕や足を強く握る
  • 痒みで皮膚を繰り返し掻く
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実際には、テープを剥がしたときに皮膚まで一緒に剥けてしまったり、移乗や着替えの途中で皮膚が裂けてしまったりすることもありました。腕やすねなどは特に傷ができやすい印象があります。

痒くて掻いてしまい、出血することもあります

高齢者は皮膚が乾燥しやすく、痒みを感じることがあります。強く掻くことで皮膚が傷つき、出血するほど掻き壊してしまうこともあります。

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皮膚の痒みが強く、自分で何度も掻いてしまい、気づいたときには出血していたケースもありました。傷の処置だけでなく、「なぜ痒いのか」「皮膚が乾燥していないか」を確認し、保湿などの予防も一緒に考えることが大切です。

皮膚がめくれたら、まずどうする?

スキンテアが起きた場合は、まず出血の程度と傷の状態を確認します。強い出血がある場合は清潔なガーゼなどで圧迫し、傷を汚さないようにします。

  • 出血があれば清潔なガーゼなどでやさしく圧迫する
  • 傷を強くこすらない
  • めくれた皮膚を自分で切ったり剥がしたりしない
  • 傷が汚れている場合は清潔な水などでやさしく洗う
  • 傷の大きさや出血、周囲の皮膚の状態を確認する
  • 傷が大きい、出血が止まりにくい場合は医師や看護師へ相談する

日本語版STARスキンテア分類システムでは、出血のコントロールと創の洗浄を行い、可能であれば皮膚や皮弁を元の位置へ戻したうえで状態を評価する流れが示されています。ただし、家族が無理に皮膚を引っ張って戻そうとする必要はありません。傷の状態によって対応が異なるため、判断に迷う場合は専門職へ相談してください。

めくれた皮膚は切ってもいい?

めくれた皮膚が残っていると、「邪魔だから切った方がよいのでは」と思うことがあります。しかし、残っている皮膚を傷の保護に利用できる場合があります。

自宅でハサミを使って切ったり、乾いた皮膚を無理に剥がしたりせず、医師や看護師に状態を確認してもらいましょう。

テープや絆創膏で悪化させないために

スキンテアが起こりやすい高齢者では、粘着力の強いテープを剥がすこと自体が新しい皮膚損傷につながる場合があります。

日本創傷・オストミー・失禁管理学会では、皮膚が弱い方ではテープを使用しない方法を検討することや、皮膚にやさしいテープを選ぶこと、無理に剥がさないことなどを予防策として紹介しています。

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傷にガーゼを当てていても、固定したテープを剥がすときに別の場所の皮膚まで傷ついてしまったり、ガーゼが傷へくっついて交換時に痛みが出たりすることがありました。
「とりあえず絆創膏を貼る」のではなく、皮膚が弱い方は固定方法や被覆材について看護師などへ相談すると安心です。

軽くぶつけただけの内出血も確認しましょう

スキンテアそのものではなくても、高齢者ではわずかな衝撃で青あざや紫色の内出血ができることがあります。

いつぶつけたのか分からない内出血が頻繁に増える、範囲が広がる、出血が止まりにくいなどの場合は、服用している薬や病気が関係している可能性もあるため、医師へ相談しましょう。

こんな場合は医師・看護師へ相談しましょう

  • 出血がなかなか止まらない
  • 傷が大きい、深い
  • 皮膚が大きくめくれている
  • 傷口が汚れている
  • 赤み・腫れ・熱感が広がっている
  • 膿のようなものや悪臭がある
  • 痛みが強い
  • 同じ場所に何度も傷ができる
  • 家族だけでは処置方法が分からない

訪問看護を利用している場合は、傷の状態を見てもらい、必要な処置や保護方法を相談できます。傷だけでなく、ベッド周辺の環境や移乗方法、皮膚の乾燥など、再発の原因も一緒に確認してもらうとよいでしょう。

スキンテアを予防するために家族ができること

皮膚を保湿する

乾燥した皮膚は刺激を受けやすくなります。入浴後などに保湿剤を使用し、皮膚の乾燥を防ぎましょう。

腕や足を守る

長袖の衣類や、必要に応じてアームカバーなどを使い、ベッド柵や車椅子への接触から皮膚を守る方法があります。

介助するときに手足を強く握らない

体位変換や移乗では、腕や手首を強く握って引っ張るのではなく、身体を下から広く支えるようにします。

ぶつかりやすい環境を見直す

  • ベッド柵に腕や足が当たっていないか
  • 車椅子のフレームやフットレストにぶつからないか
  • 家具の角や狭い通路に身体をぶつけていないか
  • 移乗時に皮膚がこすれていないか

爪と痒みも確認する

爪が伸びていると、痒くて掻いたときに皮膚を傷つけやすくなります。爪の長さを整えるだけでなく、痒みが続く場合は乾燥や皮膚疾患などの原因についても医師や看護師へ相談しましょう。

床ずれとスキンテアは何が違う?

どちらも高齢者に起こりやすい皮膚トラブルですが、起こり方が異なります。

項目 スキンテア 床ずれ(褥瘡)
主なきっかけ 摩擦・ずれ・ぶつける・テープ剥離など 持続する圧迫やずれなど
起こり方 皮膚が急に裂ける・めくれる 圧がかかる部位で徐々に組織が傷つく
よく見る場所 腕・手・すねなど 仙骨・かかとなど圧が集中する場所

ただし、見た目だけでは判断しにくい傷もあります。皮膚トラブルの種類を家族だけで決めつけず、判断に迷う場合は専門職へ相談しましょう。

よくあるQ&A

皮膚が少しめくれただけなら様子を見てもいいですか?

傷が小さく見えても、皮膚が大きく剥がれている、出血が続く、汚染しているなどの場合は処置が必要です。特に皮膚が弱い高齢者では傷が悪化することもあるため、判断に迷う場合は医師や看護師へ相談しましょう。

めくれた皮膚は元に戻した方がいいですか?

専門的には、状態によって皮弁を元の位置へ戻して保護することがあります。ただし、家族が無理に引っ張って戻すと傷を広げる可能性があります。無理に触らず、専門職へ確認してください。

保湿剤はどこに塗ればいいですか?

傷そのものへ自己判断で塗るのではなく、傷のない乾燥した皮膚の保湿に使用します。傷がある場所の処置は医師や看護師へ確認してください。

青あざが多いのもスキンテアですか?

青あざや内出血そのものはスキンテアとは異なります。ただし、皮膚が弱くなっている方では軽い刺激で内出血とスキンテアの両方が起こることがあります。内出血が頻繁に増える場合は医師へ相談しましょう。

まとめ

高齢者の皮膚は、ベッド柵に軽くぶつかる、衣類がこすれる、テープを剥がすといった小さな刺激でも裂けることがあります。こうした傷がスキンテアです。

皮膚がめくれたときは、残った皮膚を自己判断で切ったり剥がしたりせず、出血と傷の状態を確認しましょう。傷が大きい、出血が止まらない、処置方法が分からない場合は医師や看護師へ相談してください。

また、乾燥や浮腫、痒み、ベッド柵や車椅子との接触など、傷が起きた背景を見直すことも大切です。保湿、衣類、環境調整、介助方法を工夫し、皮膚を傷つける刺激を少しずつ減らしていきましょう。

参考

この記事を監修した人

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野崎理香 / 正看護師

正看護師として、がん専門センターおよびリハビリ病院に勤務後、訪問看護の現場に従事。
日々のケアを通じて、「本当は聞きたいことがあるのに、時間に追われて質問できない」という利用者様の声に直面し、その課題を解決するため、介護情報サービス「ケアポケ」の立ち上げに参画。
現場での実体験をもとに、看護や在宅ケアに関する実践的な情報提供と記事の監修に取り組む。

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