介護
2024.12.24 作成
2026.11.05 更新
地域包括支援センターへ相談するときに準備しておきたいこと【これから介護が始まる方へ】
専門家の回答
地域包括支援センターに相談するときに準備しておきたいこと

地域包括支援センターとは、介護の悩みを専門的な立場からアドバイスやサポートする公的な相談窓口です。
相談する前に、次の内容を理解することがおすすめです。
- 利用条件を確認する
- 相談できる内容を知る
- 専門機関との役割の違いを知る
それぞれくわしくみてみましょう。
利用条件を確認する
地域包括支援センターは、地域の高齢者や家族などから、介護・健康・生活の相談を受けています。要介護認定を受けていない方や、介護保険を利用していない方も相談できます。本人が行けない場合は、家族から電話などで相談する方法もあります。
相談を受けることと、個々の介護サービスや事業を利用する条件は別です。年齢や認定などの条件は、案内された制度ごとに確認します。対象か分からないときも、最初から諦めず窓口へ聞いてみましょう。
相談できる内容を知る
地域包括支援センターで相談できる内容を具体的にみてみましょう。
- 要介護認定の申請方法や手続き
- デイサービスや訪問介護など介護サービスの利用方法
- 介護保険の仕組みや使い方の説明
- 介護疲れやストレスへの相談
- 福祉用具や住宅改修に関する情報提供
- 高齢者が参加できる地域活動の案内
地域包括支援センターは、地域に暮らす高齢者の暮らしを支える拠点です。介護に関する不安や疑問を気軽に相談してみてください。
診断や専門的な法的手続きなど、センター自体では行わないこともあります。次のように役割を分け、必要な窓口につなぎます。
専門機関と役割を分けて対応すること
センターが診断・治療や専門的な法的手続きを行わないからといって、その困りごとの相談自体ができない、という意味ではありません。高齢者の暮らしや権利に関する相談を受け、必要な機関や制度につなぐ役割があります。
| 困っていること | センターへ相談できることと、専門機関の役割 |
|---|---|
| 物忘れや体調が心配 | 暮らしで困っている様子を相談し、受診や支援につなぐ。診断・治療・処方は医師が行う |
| お金の管理、契約、財産が心配 | 成年後見制度など権利を守る支援や、専門窓口へのつなぎを相談する。法的な判断・代理・書類作成等は内容に応じた専門職が担う |
| 介護サービスを使いたい | 必要な支援や窓口を一緒に考える。サービスの利用条件・費用・空き状況は別に確認する |
どこへ相談すればよいか分からない、と伝えるところから始めて大丈夫です。
そもそも地域包括支援センターとは
地域包括支援センターは、高齢者やその家族が安心して暮らせるよう、以下のようなさまざまなサポートを提供する総合相談窓口です。
- 医療
- 福祉
- 介護 など
高齢者に関する幅広い相談に対応しています。具体的には以下のような相談です。
| 相談内容 | 具体例 |
|---|---|
| 総合相談支援 | ・高齢者やその家族からの相談全般 ・介護サービスの利用方法や制度の説明 |
| 権利擁護(ようご) | ・高齢者への虐待や不適切な対応の相談/通報への対応 ・成年後見制度の利用に関するアドバイスや手続きのサポート |
| 包括的・継続的ケアマネジメント | ・医療機関や介護サービス事業所との連携 ・高齢者が住み慣れた地域で必要な支援がうけられるようサポート |
| 介護予防ケアマネジメント | ・要支援認定を受けた高齢者の介護予防プラン作成 ・運動や栄養など健康維持のための支援 |
地域包括支援センターは、高齢者の心身の健康を保ち、安心して生活できるようさまざまな角度からサポートする役割です。
地域包括支援センターに在籍する専門家
保健師等、社会福祉士等、主任介護支援専門員等の専門職が連携し、介護・健康・生活や権利に関する相談に対応します。職員の配置や運営体制は、地域の実情によって異なります。
最初から職種を選んで連絡する必要はありません。困りごとを伝え、必要に応じて医療機関、ケアマネジャー、行政などと連携してもらいます。
地域包括支援センターの探し方
地域包括支援センターは、全国の市区町村に設置されています。ただし市区町村によっては、「地域あんしんセンター」や「高齢者あんしんセンター」など、名称が異なる場合があるので注意が必要です。
遠方の親について相談するときは、原則として親が住んでいる地域を担当するセンターを探します。担当が分からなければ、市区町村の高齢者相談窓口へ住所を伝えて確認しましょう。これは、地域包括支援センターが、その地域の高齢者の状況を把握し、地域に密着したサービスを提供するためです。
お住まいの市区町村のホームページを確認するか、市区町村の介護保険課や高齢福祉課などに問い合わせてみてください。
相談前にメモしておくと伝えやすいこと
全部を調べてから連絡する必要はありません。分かっていることだけでも、次のようにまとめると相談が進みやすくなります。
| 確認すること | 伝える内容の例 |
|---|---|
| 親の暮らし | 住所、一人暮らしか同居か、連絡が取れる時間 |
| 困っていること | 食事、服薬、買い物、お金の管理など、実際に難しい場面 |
| いつから・どのくらい | 最近増えた、週に何度もある、急に変わったなど |
| 家族ができること・難しいこと | 遠方に住んでいる、平日昼間は仕事、夜の見守りが難しいなど |
| これまでの支援 | 介護認定、担当ケアマネジャー、利用中のサービスの有無 |
| 急ぎの事情 | 退院日が決まっている、介護する家族が入院するなど |
相談の終わりに、次に誰が何をするか、こちらから再連絡する時期を確認し、担当者名と一緒に控えておくと、続きの相談がしやすくなります。
地域包括支援センターを利用するメリット
地域包括支援センターを利用すると、メリットがあります。
- 介護相談が無料で受けられる
- 負担を減らす支援を一緒に探せる
それぞれみてみましょう。
介護の相談が無料で受けられる
相談内容は、高齢者の心身の状態や経済状況に合わせた専門機関の紹介なども含まれます。
介護サービスの利用を経済的な理由でためらっている方にとって、無料で相談できることは大きなメリットです。
専門家である主任ケアマネジャーや社会福祉士などが、状況に応じた適切なアドバイスを提供しますので、安心して相談できます。
負担を減らす支援を一緒に探せる
介護は、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかります。地域包括支援センターでは、介護者の負担を軽減するために次のようなさまざまなサポートを提案してくれます。
- ケアプランの作成
- 介護サービス事業者との連絡調整
- 介護用品の貸し出しの提案
- レスパイトケアのサービスの紹介
レスパイトケアとは「介護者の一時的な休息」です。介護負担を最小限にするために、ひとりで抱えこまず相談してみてください。
相談が進まない・対応に困ったときは
相談した後も状況が変わらないときは、「何に困り、いつまでに支援が必要か」をもう一度具体的に伝え、現在どこまで調整できているか、次の連絡先はどこかを確認します。
- 相談した日、担当者、伝えた内容、案内されたことをメモする
- 難しいと言われた場合は、理由と、代わりに相談できる窓口を尋ねる
- 担当のセンターとの相談が進まない・対応への不安が解消しない場合は、市区町村の高齢者福祉や地域包括支援センターを担当する部署へ経緯を伝える
サービスの空きや制度の条件などにより、希望どおりにすぐ利用できるとは限りません。利用できるまでの支え方も含めて相談しましょう。急な体調変化は、センターへの相談だけで待たず、医療機関などへ連絡してください。
まとめ
地域包括支援センターは、介護に関するさまざまな相談に無料で対応してくれる窓口です。保健師、社会福祉士、ケアマネジャーといった専門家が、高齢者やその家族の悩みに寄り添い、適切なアドバイスやサポートを提供します。
初めての介護で、何から始めたらいいのか分からない、どこに相談したらいいのか分からないときは、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談してみましょう。
参考
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」地域包括支援センターについて
- 厚生労働省「地域包括支援センターの設置運営について」
- 久喜市「高齢者の身近な相談窓口 地域包括支援センター」(2026年10月7日更新)
- 厚木市「地域包括支援センターの御案内」
情報確認日:2026年11月5日
この記事を監修した人
野崎理香 / 正看護師
正看護師として、がん専門センターおよびリハビリ病院に勤務後、訪問看護の現場に従事。
日々のケアを通じて、「本当は聞きたいことがあるのに、時間に追われて質問できない」という利用者様の声に直面し、その課題を解決するため、介護情報サービス「ケアポケ」の立ち上げに参画。
現場での実体験をもとに、看護や在宅ケアに関する実践的な情報提供と記事の監修に取り組む。
地域包括支援センターは、高齢者本人だけでなく家族も相談できる窓口です。介護認定を受けていない段階でも、「親の生活が心配」「何から始めればよいか分からない」と相談できます。親の住所、困っていること、急いでいる理由を分かる範囲でメモして、親の住む地域の窓口へ連絡してみましょう。