介護
2023.04.19 作成
2024.06.18 更新
感情失禁って?【認知症症状と適切な対応方法を知る】
認知症の母が急に起こり出したり、大声で泣いたりします。夜中でも日中でも、外でも関係なく起こるので、前まで楽しみにしていた散歩や買い物にも行けず、夜中は起きなければいけないので困っています。
専門家の回答

感情失禁とは
感情失禁とは、感情を少し刺激されただけで笑ったり泣いたり怒ったりと、感情をコントロールできない状態のことを指します。
自身で感情を調整することが難しくなり、怒りや悲しみ、喜びなどの感情が突然、押し寄せてきてくるため突然激しい感情を表現します。
感情を過度に表現するため、自分自身や周囲の人間関係に影響を及ぼすことが多いです。
感情失禁の治療法
感情失禁は様々な脳障害に付随して発症します。代表的疾患の一つが脳梗塞です。
感情失禁は脳疾患の症状であり、「感情失禁のみ」を治療する方法は残念ながら存在しません。
感情失禁と認知症
感情失禁は先述の通り、脳卒中等で脳に障害が起こり、正常な機能を保つことが出来ずないことが原因で起きるものです。
また感情失禁は高齢者に多くみられますが、これは血管性認知症は60~70代からの発症が多いことが原因です。
血管性認知症
血管性認知症は、脳の血管は、酸素や栄養素を脳に運ぶ大切な役割を持っており、血管に異常が起きることで、脳への血液供給が減少もしくは途絶し、脳組織が破壊されることで認知症が引き起こされることがあります。
認知症の判断基準(DSM‐5)※1
以下の中から1つ以上の認知領域の機能低下あり、日常の社会生活や対人関係に支障きたす場合は意志により認知症と診断される場合があります。
- 複雑性注意(注意の維持、振り分け)
- 実行機能(計画を立て適切に実行)
- 学習及び記憶
- 言語(言語の理解や表出)
- 知覚‐運動(正しい知覚、道具の使用)
- 社会的認知(他人への配慮、表情の把握)
家族が最初に気づいた日常生活の変化※2
- 同じことを何回も言ったり聞いたりする
- 財布を盗まれたと言う
- だらしなくなった
- いつも降りる駅なのに乗り過ごした
- 夜中に急に起き出して騒いだ
- 置き忘れやしまい忘れが目立つ
- 計算の間違いが多くなった
- 物の名前が出てこなくなった
- ささいなことで怒りっぽくなった
感情失禁への対応方法
突然ご本人が怒ったり笑ったり泣いたりと、感情をあらわにされると驚くのもどうしようもないことかと思います。
感情失禁への対応方法にはこのようなものがあります。
まずは自分が落ち着いて対応
感情失禁しているご本人に対して、まずは自身が冷静であることが非常に大切です。
ご本人の感情に同調して自信も感情的になってしまうことで、状況を悪化させることになります。
ご本人の安全が確保できる場合には、一度別室に行くなど距離を取っても良いでしょう。
ご本人の感情を理解する
自身が冷静になれましたら、感情失禁している人の感情や思考を理解することも重要。
ご本人が本当はが何を言いたいのかをじっくりと聴き、どう感じているのかを理解することで、感情に寄り添った対応ができることも。
ただ、自身からすると大袈裟に聞こえることもあり、気持ちがかき乱されそうな時には無理をしないことが大切です。
専門家の支援を求める
感情失禁により日常生活に支障が出たり、ご本人やご家族の安全が保たれない場合はすぐに専門家に相談をしましょう。
精神科医や心理カウンセラー、認知症ケア専門家などの専門家からアドバイスを受け、今できることを確認し対処していきます。
まとめ
感情失禁とは、自身で感情を調整することが難しくなり、感情をコントロールできず怒ったり泣いたりしてしまう状態のことです。
認知症や脳の障害などが原因となり、感情失禁の症状が起こることがあります。
感情失禁に対する治療法は確立されていないので、原疾患へアプローチする必要があり、専門家の支援が重要です。
周りは突然感情をむき出しにされ、驚かれるかもしれませんが、ご本人をさらに刺激しないようまずは自身が落ち着いて、冷静に対応しましょう。
出典
ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言
認知症の専門医が認知症になり、当事者の視点から「認知症」について記されています。長谷川先生の温かな言葉がすっと胸に沁みる一冊です。
脳は私たちのあらゆる行動を司る中枢・司令塔であり、適切な指令が伝達されないとことで心理的、もしくは身体的な活動が円滑に進まなくなります。
今回は認知症症状のひとつでもある「感情失禁」について詳しく解説します。