介護
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認知症カフェとは?

認知症カフェはオランダで始まり、日本では2012年に認知症施策の一環として導入されました。認知症の方や家族の方が、地域の人と交流し、社会参加ができる場所作りを目的としています。
無料の場合もありますが、飲食代として100円〜300円程度必要な場合もあります。認知症カフェは、認知症について理解を深めたい人や、認知症の方や家族と交流を持ちたい人におすすめです。
認知症カフェにおすすめな方
認知症カフェにおすすめな方は以下の通りです。ご覧ください。
- 認知症の方
- 認知症の方の家族
- 地域住民
- 医療・介護の専門職
- ボランティア など
認知症カフェは、認知症の方や家族だけでなく、地域の住民や専門職など幅広い方が利用できる点が特徴です。
そのため、地域の高齢者を対象とする高齢者サロンとは異なります。開催場所は、公民館や介護施設、ショッピングセンターの一角などさまざまです。
認知症カフェの4つの活用法
認知症カフェの4つの活用法を紹介します。それぞれみてみましょう。
認知症に関する情報収集
認知症カフェでは、認知症に関する情報収集が可能です。認知症カフェには、介護や医療の専門職がいることも多く、医療や介護に関するサービスの情報を得ることが期待できます。
介護施設のパンフレットや使える制度の資料が用意されている場合や、具体的な症状に対する対処法などを直接聞くこともできます。
「病院に行くほどではないけど、ちょっと聞いてみたいな」というような疑問の解決法が見つかるかもしれません。
医療や介護の専門職の人に、日頃の疑問を聞くいい機会になるでしょう。
同じ境遇の人との交流
認知症カフェには、認知症の方や家族、認知症に関わる専門職やボランティアが集まります。同じように認知症をもつ方やその家族とも交流を持てるのはメリットです。
日々の介護の悩みごとや、困りごとを気兼ねなく話せる場があることは、精神的ストレスの軽減にも効果的です。「自分だけが苦しんでいるのではない」と思えることは、介護を続けるうえで大きな励みになります。
定期的に通うと、ほかの参加者との信頼関係が築きやすくなり、介護の孤立感を防ぐためにおすすめです。
認知症の方や家族向けの勉強会への参加
認知症カフェでは「医師」「看護師」「介護福祉士」「作業療法士」などの専門職による勉強会が開催されることがあります。勉強会を通して認知症の理解を深めたり、ケアの方法を学んだりすることができます。
具体的な内容をみてみましょう。
- 認知症の基礎知識
- 認知症の方への介護の方法
- 使える社会制度や介護保険
- 認知症の方とのコミュニケーションの取り方
少人数で勉強会がおこなわれる場合もあり、日常生活での課題についての具体的なアドバイスをもらえる可能性があります。
認知症は単なる物忘れではなく、適切な知識や理解を持つことが大切です。専門家による勉強会を通し、理解を深めましょう。
レクリエーションへの参加
認知症カフェでは、高齢者の認知機能の維持や向上を目指したさまざまなレクリエーションが実施されています。
具体例は次の通りです。
- カラオケ
- 体操
- 軽い運動
- 懐かしい思い出を語り合う(学校・子育て・地域の祭りなど)
- 手芸
- 工作
レクリエーションを通し、参加者同士がコミュニケーションをとったり、楽しんだりすることができます。
家族の方にとっては、認知症の方ができることや興味があることを知るきっかけにもなります。
認知症カフェのメリット
認知症カフェの3つのメリットをみてみましょう。
孤立感を軽減する
認知症カフェは、孤立感を軽減する役割があります。認知症の方や家族は、外出が難しかったり、人との交流を避けたりする場合があり、社会や地域からの孤立感を感じやすいです。
同じ境遇の人や専門家との交流を通して、人とのつながりを実感できると孤独感の軽減につながります。
心理的負担が軽減される
認知症カフェは、認知症の方や関わる家族の方の心理的な負担を軽減する役割があります。認知症の方がレクリエーションに参加したり、カフェでくつろいだりする間に、家族は日常から少し離れて、一息つける時間を持てるでしょう。
ほかの家族や専門家とのコミュニケーションを通して、つらいのは自分だけではないと実感し、心の負担が軽くなる効果も期待できます。
介護者のリフレッシュや情報交換の場になる
認知症カフェに行くことが、介護者のリフレッシュや情報交換の場になることもメリットの1つです。
認知症カフェで飲み物を楽しんで息抜きをしたり、情報交換で新たな視点や役立つ情報を得たりできます。自宅以外の場所で、認知症の方も家族も安心して過ごせる貴重な場です。
認知症カフェのデメリット
認知症カフェのデメリットを2つ紹介します。
利用環境や質に差がある可能性がある
認知症カフェは、各カフェの環境や質に差があるかもしれません。認知症カフェによって、運営者の方針や営業スタイルが異なるためです。
利用前に、具体的な活動内容やどのような人が利用しているかをホームページや電話などで確認してみるのをおすすめします。
参加者同士のプライバシー問題が発生する恐れがある
認知症カフェでは、参加者同士のプライバシー問題が発生する恐れも考えられます。デリケートな内容を相談したい場合は、相談場所や個別対応の有無を確認しておくと安心です。
認知症カフェで見聞きした情報は口外せず、マナーを守って利用しましょう。
まとめ
認知症カフェでは、認知症に関する情報収集やレクリエーション・勉強会への参加が可能です。外出が難しくなりやすい認知症の方や家族にとって、安心して利用できる交流の場でもあります。
最寄りの認知症カフェは、お住まいの自治体や地域包括支援センターなどにお問い合わせください。
家族だけで抱え込まず、ぜひ認知症カフェの利用を検討してみましょう。
出典
「認知症カフェってなに?」「認知症カフェを使うメリットとは?」
認知症カフェといっても、なにをしている場所で誰が対象なのかわからず、利用をしていいのかどうか悩まれていませんか。
認知症を抱える人や家族は、感じていることをなかなか相談できる場所がなく、家族だけで抱え込むケースがあります。
本記事では、認知症やその家族の方が気軽に参加できる活動の場のひとつである認知症カフェについてくわしく解説します。
認知症カフェについて興味がある方の疑問が解消されれば幸いです。