介護
専門家の回答
栄養補助食品とは
お年を重ねるごとに色が細くなったり、嚥下障害や認知症により食事が難しくなったりして、1日に必要な栄養素が十分に摂取できない場合などに用いられます。
ビタミンやミネラルなどは特に不足しがちですので、こういった補助食品をいつものお食事と組み合わせることで、1日の栄養素を補います。
栄養機能食品と異なるのは、特定の栄養素を補うためのものでなく、カロリーやビタミン、アミノ酸、ミネラルなどを総合的に補助するものです。
栄養機能食品とは、特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するものをいいます。
栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が、定められた上・下限値の範囲内にある必要があるほか、基準で定められた当該栄養成分の機能だけでなく注意喚起表示等も表示する必要があります(食品表示基準第7条及び第21条)。
栄養補助食品の種類
栄養補助食品には様々な種類があります。ご本人の好みやその日のお食事に合わせて、選んでみましょう。
- 食事や液体に混ぜる粉末状のもの
- ゼリー
- 錠剤・カプセルなどのサプリメント
- お菓子
- 飲料タイプ
- 甘くないもの
粉末タイプの栄養補助食品
粉末タイプの栄養剤は、料理に混ぜることができるものが多く、無味で食事の味を損ねないため摂取を続けやすい傾向にあります。
しかし、摂取できるカロリー量や栄養素は少なめですので、他のものと組み合わせたり夏などの食欲が落ちる時期に取り入れてみてはいかがでしょうか。
キユーピー ジャネフ ワンステップミール 料理に混ぜる栄養パウダー
一袋にエネルギー27Kcalとタンパク質3gが含まれています。無味で溶けやすいので手軽に取り入れることができて便利です。
サプリ【ミリオンパワーSG(栄養機能食品)2g×60包】溶けやすい パウダータイプ
ビタミンB1 ビタミンB2 ビタミンB6ビタミンC ビタミンB12が配合されています。スタミナをつけたい方や、食欲が落ちている方にぴったりです。
ゼリータイプの栄養補助食品
ゼリータイプの栄養補助食品は、ハイカロリーなものが多く食事の量が減ってしまった場合に取り入れられることが多いです。
カップに入っているものはそのまま提供できるので、衛生的で準備も楽ですし非常におすすめです。
甘い味のものが多い印象ですが、茶碗蒸し風などおかずの1品にできるものもありますよ。
Nestle(ネスレ) アイソカル ゼリー ハイカロリー
こちらはしっかりカロリーを摂りたい方向けのゼリーです。味の種類が豊富で、さっぱりしたフルーツ風味やチョコレート、あずき味やレアチーズ風味などからお好みに合わせて選ぶことができます。
錠剤・カプセルの栄養補助食品
錠剤やカプセルの栄養補助食品は、カロリー摂取を目的としたものがなかなかありませんので、ビタミンやミネラルなどを補うために利用しましょう。
いろいろなものがありますが、高齢者が飲用するのであれば小さめの粒や、1回の量が少ないものなどを目安に選んでみると良いでしょう。
大塚製薬 ネイチャーメイド スーパーマルチビタミン&ミネラル
こちらは粒が大きめですが、1回1粒で良いので割って小さくして飲んだり、ゼリーなどと一緒にスルッと飲んだりしてみてください。
お菓子の栄養補助食品
お菓子タイプの栄養補助食品には、タンパク質やミネラルなどが摂取できるものが多いです。
一回の食事量はそんなに多く食べられないけれどこまめに食べられる人や、毎日のおやつ代わりにもなります。
胃がんなどで胃を部分切除し食事の1回量を抑えなければいけない方にもおすすめ。
井藤漢方製薬 鉄&カルシウムウエハース
井村屋 えいようかん
羊羹にはあずきの栄養素がたっぷり。甘さも控えめでこちらの商品はなんと保存食にもなり、5年間保管が可能です。手で開けられるのと、1つの量も60gとちょうど良くおやつにぴったりです。
甘くない栄養補助食品
カロリーを追加摂取するために栄養補助食品を選ぼうとすると、どうしても甘いものが多く出てきますよね。
甘いものが苦手な方は、コーンポタージュなどのスープ味がおすすめです。
Nestle(ネスレ) アイソカル 100 ポテトスープ味
アサヒグループ食品 介護用食品 バランス献立PLUS 栄養プラス 濃厚コーンポタージュ
活用例
体調不良などの食欲が低下している場合
風邪などで食欲が低下してる場合にも栄養補助食品の摂取は有効です。
ツルッと食べられるゼリータイプのものや、飲み物タイプのもの、飲料に混ぜられる粉末状のものなどは食欲が落ちていても摂取しやすくおすすめです。
嚥下障害や認知症などにより食事摂取量が低下している場合
嚥下障害や認知症などで、お食事の量が少なくなってしまうことがあります。
嚥下障害の方は飲料などにとろみをつけてあげると、飲み込みやすくなります。また飲み込む際にとても神経を使われますので、食事で疲れてしまう場合も多いため、少ない量でも栄養素を補えるような工夫をしてみましょう。
認知症の方は認知機能が低下することにより食事の量にムラが生じてしまうことがありますので、いつものお食事にプラスして栄養補助食品を取り入れてみましょう。
医薬品にも栄養剤があります
医師の必要であると判断した場合、栄養状態を回復させる目的で栄養剤が処方される場合があります。
飲料タイプが一般的で、コーヒー味やバニラ味、抹茶味など色々なお味があります。
処方については担当医に相談をしてみましょう。
まとめ
栄養補助食品はあくまでいつもの食事に加えて、1日の栄養素を補助するものです。
栄養補助食品ばかりを摂取したり、摂取しすぎることのないように注意しましょう。
また、食事摂取量が低下すると水分不足も同時に起こることが多いため、脱水にも注意することが大切です。
栄養補助食品には様々な種類があります。
栄養不足を補うため、ご本人の好みや目的に合わせ日頃のお食事に合わせたり、栄養補助食品を組み合わせてみましょう。