病気・症状
専門家の回答
ピロリ菌が見つかったことと、胃がんの診断は別です
ピロリ菌は胃の粘膜に感染する細菌です。感染があると胃炎などに関係しますが、検査が陽性だったことだけで胃がんと診断されたわけではありません。まずは検査結果の用紙を見ながら、何の検査で分かり、次に何を確認するのかを医師に聞きましょう。1)
以前に除菌したことがある場合も伝えてください。抗体の検査では、除菌が成功した後も陽性が続くことがあります。「また陽性だから、すぐ同じ薬を飲む」と判断せず、過去の治療と今回の検査を合わせて確認することが必要です。1)

治療前には、薬と過去のアレルギーをまとめて伝える
高齢の親が複数の病院へ通っている場合は、お薬手帳を一つの診療科の分だけで済ませず、市販薬やサプリメントも含めて確認します。家族が付き添えないときは、本人の了解を得て一覧を渡す方法もあります。
| 確認すること | 家族が用意する情報 |
|---|---|
| 過去の治療 | 除菌した時期、使った薬、結果が分かる資料 |
| 現在の薬 | お薬手帳、市販薬やサプリメントの現物・写真 |
| 薬で困った経験 | 発疹などが出た薬の名前と、そのときの様子 |
| 飲み方の支援 | 本人が薬を区別できるか、飲み忘れに気づけるか |
除菌に使う薬の組み合わせは医師が判断します。飲む回数や日数は処方された説明で確認し、家族の以前の薬や、残っている抗菌薬で代用しないでください。普段の薬と一緒に飲めるかも薬剤師へ確認します。
飲んでいる間に困ったら、追加や中止を自己流で決めない
飲み忘れたときの対応を、受け取った時点で薬剤師へ聞いておくと迷いを減らせます。家族は「ちゃんと飲んだ?」と繰り返すだけでなく、本人が使いやすい記録や置き場所を相談してみてください。分包を勝手に開け直す前にも薬局で確認します。
除菌中には下痢や味の変化、発疹などが起こることがあります。ひどい下痢、血の混じる便、強い皮膚症状やアレルギー反応が出た場合は、服用を中止してすぐ医師へ相談するよう学会が案内しています。症状と服用時刻を伝え、残りをどうするか確認してください。1)
飲み終わったら、除菌できたかの検査が必要です
薬を飲み切ったことと、除菌に成功したことは同じではありません。通常、薬を飲み終えてから4週間以上あけて、呼気や便などの検査で判定します。具体的な検査日と事前の薬の扱いは医療機関の指示を確認してください。1)
| 予定 | 聞いておくこと |
|---|---|
| 服用期間 | いつからいつまで、どの薬を飲むか |
| 連絡先 | 症状が出た場合、休診日はどこへ連絡するか |
| 除菌判定 | 予約日、検査方法、事前に必要な準備 |
| その後の診察 | 結果を誰が聞き、次の検査予定をどこに残すか |
除菌後も、胃の検査を終わりにしない
除菌は胃がんのリスクを下げますが、ゼロにはしません。成功した後も定期的な胃の内視鏡検査が勧められています。頻度は胃の状態やこれまでの検査結果に合わせて医師に確認します。1)
家族の手助けは、薬を管理することだけではありません。「結果を聞く日」と「その後の検査日」を、本人が見返せる場所へ残すこともできます。高齢だから不要と決めたり、反対に年齢だけを理由に急いで薬を始めたりせず、親の状態に合う進め方を確認しましょう。
出典・参考資料
情報確認日:2026年9月11日
この記事を監修した人
野崎理香 / 正看護師
正看護師として、がん専門センターおよびリハビリ病院に勤務後、訪問看護の現場に従事。
日々のケアを通じて、「本当は聞きたいことがあるのに、時間に追われて質問できない」という利用者様の声に直面し、その課題を解決するため、介護情報サービス「ケアポケ」の立ち上げに参画。
現場での実体験をもとに、看護や在宅ケアに関する実践的な情報提供と記事の監修に取り組む。
除菌の薬を飲む前に、今の薬や過去の治療を伝えます。飲み終えた後も除菌判定が必要で、成功後も胃がんのリスクはゼロになりません。検査の予定まで確認しましょう。