リハビリ・介護予防

リハビリ・介護予防

2022.07.19 作成

2026.09.14 更新

グルコサミンは膝の痛みに効く?高齢の親が飲む前に確認したいこと

母が膝の痛みによいと聞き、グルコサミンを飲みたいと言っています。本当に効くのでしょうか。薬も飲んでいるため、組み合わせが心配です。

専門家の回答

専門家イラスト

変形性膝関節症への効果は研究結果が一致しておらず、はっきりしていません。サプリメントを治療の代わりにせず、まず痛みの原因を確認しましょう。現在の薬と商品の成分を、医師や薬剤師へ一緒に見せて相談してください。

膝の痛みへの効果は、はっきりしていない

グルコサミンやコンドロイチンは軟骨に関わる成分ですが、飲めばそのまま傷んだ膝を修復できるという意味ではありません。厚生労働省eJIMは、変形性膝関節症の痛みや機能に対する研究結果が一致しておらず、有効かは明確でないと説明しています。1)

研究に使われた製剤、成分や組み合わせ、対象者の状態はさまざまです。海外の特定の製剤で得られた結果を、同じ成分名が書かれた市販商品すべてに当てはめることはできません。「必ず効く」とも「どんな条件でも絶対に効かない」とも単純化せず、診察と治療を優先します。1)

痛みが続くなら、サプリメントを選ぶ前に原因を確認する

変形性膝関節症では、立ち上がりや歩き始めの痛みなどがみられ、進むと生活に支障が出る場合があります。ただし、膝の痛みがすべてこの病気とは限りません。整形外科などで症状を伝え、原因を確認してください。2)

急に強く痛み出した、腫れや熱っぽさがある、転んでから体重をかけられないなどの場合は、サプリメントで様子を見続けず医療機関へ連絡します。診察では、いつから、どの動きで痛むか、歩行や階段にどれくらい影響するかを伝えます。

受診前に整理したいこと
項目 確認する内容
痛む場面 立ち上がり、歩き始め、階段、安静時など
生活への影響 買い物をやめた、外出が減った、移動に支えがいる
治療・薬 処方薬、痛み止め、注射やリハビリの経過
サプリメント 商品名、成分、使用量、いつから使っているか

既に飲んでいる場合は、薬と一緒に確認してもらう

サプリメントも、医師や薬剤師に伝える対象です。容器や成分表示の写真を持参し、複数の商品を使っている場合はすべて見せます。「食品だから薬との組み合わせは気にしなくてよい」とは考えないでください。

NCCIHは、グルコサミン・コンドロイチンとワルファリンの併用による出血リスクへの注意を示しています。糖尿病などで治療中の方も、使用前に確認してください。薬の名前が分からなければ、お薬手帳と商品を薬剤師へ見せる方法があります。3)

飲んでから体調が変わった場合は、使用を続ける前に相談します。サプリメントを追加したからと、処方された薬を減らしたり受診をやめたりしないでください。

膝の治療は、薬・運動・生活の工夫などを組み合わせる

変形性膝関節症の治療には、薬、運動療法、装具、状態に応じた手術などがあります。本人に合う方法は症状や診察結果によって選びます。痛いから全く動かさない、筋肉をつけたいから強く鍛えるという両極端にせず、運動の内容と負荷を医療職に確認してください。2)

家族は、膝の痛みで困る場面を具体的に伝える役割を担えます。「買い物へ行けるようになりたい」「玄関で立つのがつらい」など、本人の希望が分かると治療や生活上の支援を相談しやすくなります。

親が「効いている」と話すときは、何が変わったかを聞く

監修者が相談を勧めるときに使っていた声かけ:「もし気になるなら、他にもいい薬を知っているかもしれないから、相談してみる?」と話していました。本人が使っているものを、頭ごなしに否定しないことを大切にしていました。

この声かけは、別の薬が必ず効くと約束するものではありません。家族が相談を切り出すなら、「膝の痛みで困っていることと、今飲んでいるものを一緒に相談してみない?」という伝え方もできます。商品名や成分が分かるものを持参し、本人に合う対応を医師や薬剤師と確認しましょう。

本人が「効いている」と感じている場合は、「どの動きが楽になった?」「他に始めた治療はある?」と聞き、痛みや生活の変化を整理する方法があります。本人の実感を聞くことと、サプリメントの効果を医学的に判断することは分けて考えます。

続ける費用が負担なら、金額や購入の仕組みも本人と確認します。宣伝の体験談だけで追加購入を決めず、成分・費用・治療との両立を医師や薬剤師へ相談してください。家族が本人に黙って捨てるより、何が心配かを共有することから始めましょう。

膝の痛みに対して必要なのは、商品名だけで効果を決めることではありません。原因の診察を受け、今の薬やサプリメントを伝え、本人の生活で困っていることに合う対応を考えていきましょう。

出典・参考資料

  1. 厚生労働省eJIM「変形性関節症に対するグルコサミンとコンドロイチン」
  2. 日本整形外科学会「変形性膝関節症」
  3. 米国NCCIH「Glucosamine and Chondroitin for Osteoarthritis」

情報確認日:2026年9月10日

この記事を監修した人

監修した人の画像

野崎理香 / 正看護師

正看護師として、がん専門センターおよびリハビリ病院に勤務後、訪問看護の現場に従事。
日々のケアを通じて、「本当は聞きたいことがあるのに、時間に追われて質問できない」という利用者様の声に直面し、その課題を解決するため、介護情報サービス「ケアポケ」の立ち上げに参画。
現場での実体験をもとに、看護や在宅ケアに関する実践的な情報提供と記事の監修に取り組む。

記事のタイトルとURLをコピーする

記事をシェアする

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE

カテゴリー一覧

ケアポケでは、訪問者の皆さまが必要な情報をすばやく見つけられるよう、テーマごとにカテゴリー分けしています。
以下の各カテゴリーから、関心のあるトピックをお選びください。

SNSでケアポケの最新情報を配信中

  • X
  • Instagram
  • YouTube
  • Facebook
薬機法医療法 広告遵守・個人承認 YMAA

© 2026 D-PLUS CO., LTD. All Rights Reserved.