お金のこと

お金のこと

2024.07.11 作成

2026.09.25 更新

認知症で親の口座からお金を引き出せない?介護費の支払いと家族の相談先

認知症の母の入院費を口座から支払いたいのですが、本人が手続きを理解しにくくなっています。家族が引き出せますか。支払期日も近く心配です。

専門家の回答

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預金の払出しは原則として本人の意思確認が必要です。難しい場合も、本人の入院費や介護費などの用途・金額・期限を取引銀行に伝えて相談してください。対応や必要書類は銀行ごとに確認し、今の支払いと今後の財産管理を分けて考えます。

認知症の診断だけで、全国一律に口座が自動凍結されるわけではない

銀行での取引では、原則として預金者本人の意思を確認します。認知症などで意思確認が難しくなると、本人の財産を守るため、払出しや解約などの取引が制限される場合があります。診断名だけで全口座が一律に使えなくなる、と捉えないでください。1)2)

家族だから自由に引き出せるわけでもありません。どの手続きが可能かは、本人の状態、代理の権限、取引の内容、銀行の取り扱いによって異なります。「凍結」という言葉だけで判断せず、今どの取引で困っているのかを銀行へ伝えます。

介護費の支払いが迫っているときは、用途と期限を銀行に相談する

全国銀行協会は、本人の生活費や入院・介護施設の費用などで困っている場合、まず取引銀行に相談するよう案内しています。相談すれば必ず払い出されるという意味ではありませんが、「家族では何もできない」と諦めず、必要な手続きを確かめましょう。1)

銀行に相談する前の整理
項目 伝える内容
本人の状態 来店できるか、取引の意味や希望を伝えられるか
必要な支払い 本人の入院費・施設費・生活費など、何のためか
金額と期限 請求額と支払期日。請求書等があるか
相談する家族 本人との関係、利用中の代理人制度の有無
今困る手続き 払出し、振込、口座振替など、どの取引か

本人や家族の確認書類、関係が分かる書類、請求書など、何を用意するかは先に銀行へ聞いてください。必要書類をそろえれば必ず取引できる、という一覧にはできません。自動引落しが続くかどうかも、今回の口座の扱いとして確認します。

間に合うか不安なら、支払先の病院や施設にも事情と見通しを伝え、期日や支払い方法を相談します。銀行の手続きと支払先への連絡を分けて進めると、家族が次に何をすべきかを整理しやすくなります。

判断できるうちの準備と、難しくなった後の支援を分ける

本人の希望を聞き、銀行の代理人制度等を確認する

本人が十分に判断できる間に、使っている銀行や定期的な支払いを一緒に整理します。通帳を取り上げるためではなく、本人が困ったときに誰へ何を頼みたいかを確認するためです。銀行独自の代理人制度や財産管理サービスの内容・条件も相談できます。1)

カードや暗証番号を家族に渡すことだけで、正式な代理の手続きが済むわけではありません。本人のお金と家族のお金を混ぜず、立て替えがあれば領収書などを残し、誰が何を管理しているかを共有しておきましょう。

意思確認が難しい場合は、成年後見制度等も含めて相談する

法定後見制度では、判断能力の程度や必要な支援に応じて、家庭裁判所が援助者を選びます。家族が希望すれば必ずその家族が選ばれるとは限りません。費用や報告など、開始後に必要なことも含めて確認します。4)

任意後見は、十分に判断できるうちに将来の支援を公正証書による契約で決めておく仕組みです。単に家族で「任せる」と話すこととは異なり、開始には裁判所の手続きも関わります。契約内容や利用の時期は専門家へ相談してください。3)

家族だけで財産の移動や制度選びを急がない

不安だからと本人の預金をまとめて家族の口座へ移す前に、本人の意思と権限、使途を確認してください。銀行、地域包括支援センター、成年後見制度の地域の相談窓口、弁護士・司法書士など、問題に合う相手へつなぎます。

相談をためらう本人には、まず何が心配なのかを聞きます。「お金を全部管理する」ではなく、「今月の支払いをどうするか一緒に確認したい」と目の前の用事から話す方法があります。話し合いが難しい場合も、家族が制度の情報を得ることから始められます。

口座の利用に困ったら、支払いの用途・金額・期限を整理して取引銀行へ連絡しましょう。先の備えと目前の支払いを分けて相談することが、必要な支援にたどり着く第一歩になります。

参考

情報確認日:2026年9月10日

この記事を監修した人

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野崎理香 / 正看護師

正看護師として、がん専門センターおよびリハビリ病院に勤務後、訪問看護の現場に従事。
日々のケアを通じて、「本当は聞きたいことがあるのに、時間に追われて質問できない」という利用者様の声に直面し、その課題を解決するため、介護情報サービス「ケアポケ」の立ち上げに参画。
現場での実体験をもとに、看護や在宅ケアに関する実践的な情報提供と記事の監修に取り組む。

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