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介護サービスを考えるサインとは?専門家が教える今すぐ始める判断基準

親も高齢になってきて、将来の介護が心配です。介護が必要になるタイミングってどういう時でしょうか?いざ介護が始まる!となった時にどこに相談したらいい?

専門家の回答

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高齢の親の介護生活がいつ始まるのかわからず、漠然とした不安を抱えている方もいるでしょう。
介護は急に始まる場合もありますが、日常生活を送るうえで少しずつ困りごとが増えていき、徐々に始まることも少なくありません。

本記事では、介護が必要になる初期のサインや頼れるサービス、介護を始める適切なタイミングなどを解説します。
親の介護の始まり方がわからず悩んでいる方の参考になれば幸いです。

なんだか最近、日常の“ちょっとした違和感”を覚えたら?

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高齢の親との関わりのなかでちょっとした違和感がある場合、少しずつ手助けが必要な状態になってきていると考えられます。
物忘れが増えたり話がかみ合わなかったりするなど、変化の出方や進み具合は人によってさまざまです。介護サービスを検討するタイミングを見逃さないためにも、親とよく会話し、日々の暮らしの様子を観察するのが大切です。

介護が必要になる“初期のサイン”とは?

介護が必要となった際に表れる兆候は、人によって異なります。
以下に介護が必要になる初期のサインをまとめたので、当てはまるものがあるか確認してみましょう。

  • 物忘れが多くなった
  • 料理の手順がわからなくなることが増えてきた
  • 同じものを何度も買ってくるようになった
  • 好きなことへの興味や関心が薄れてきた
  • ちょっとしたことでイライラするようになった
  • 身だしなみに気をつかわないことが増えてきた
  • 転倒しやすくなり、歩くときに不安を感じるようになった

なお、離れて暮らしている場合は常に親の状態を見ているわけではないため、変化の兆候に気づきにくくなります。
電話したときに以下の違和感がないか、注意深く観察してみましょう。

  • 耳が遠くなった
  • 滑舌が悪くなった
  • 話がかみ合わないことが増えた
  • 同じ話を何度も繰り返すようになった

介護が必要になる判断基準を理解しておくと、早めに準備や相談などの行動に移せます。

介護が必要になる主な原因と割合

介護が必要になる主な原因は、認知症や脳血管疾患(脳卒中)、高齢による衰弱、骨折・転倒などさまざまです。厚生労働省が実施した2022年の国民生活基礎調査によると、介護が必要になった主な原因と割合は以下のとおりでした。

要介護度 要支援 要介護
  原因 割合 原因 割合
1位 関節疾患 19.3% 認知症 23.6%
2位 高齢による衰弱 17.4% 脳血管疾患(脳卒中) 19.0%
3位 骨折・転倒 16.1% 骨折・転倒 13.0%

出典:2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省,2025/09/07

高齢による衰弱は徐々に進行していきます。
また、骨折や転倒が原因で介護生活に至るまでにも、小さな段差で転びそうになる経験をしているでしょう。
認知症も同じ話を繰り返したり、慣れている道でも迷ったりするなどの兆候が見られます。
介護は急に始まるイメージがありますが、時間をかけて少しずつ始まっていく場合も多いです。
そのため、早めに小さな変化に気づくことが大切です。

在宅介護を始めるときに頼れるサービス

親が住み慣れた家で安心して暮らすために頼れるサービスは、主に3種類あります。
それぞれ詳しくみていきましょう。

訪問介護

訪問介護とは、訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅へ訪問し、生活をサポートしてくれるサービスです。主なサービス内容は以下の3つです。

  • 食事や入浴などの介助
  • 掃除や洗濯などの家事
  • 通院時の乗車や降車などのサポート

訪問介護のサービス内容を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

訪問看護

訪問看護を利用すると、自宅で看護師やリハビリの専門職(理学療法士や作業療法士など)による医療サービスが受けられます。主なサービス内容を以下にまとめました。

  • 血圧や体温などの測定
  • 排泄や入浴などのケア
  • 在宅酸素やカテーテルなどの管理
  • リハビリテーション
  • 在宅で看取る際のケア

訪問看護の利用条件や訪問頻度などを知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

訪問入浴

訪問入浴とは、介護士と看護師が訪問入浴車で利用者の自宅に訪れ、入浴介助をしてくれるサービスです。
入浴だけでなく、入浴前の健康状態の確認や、入浴後の軟膏の塗布などにも対応してもらえます。

訪問入浴を利用できる対象者やサービスの流れなどを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

介護を始める適切なタイミングとは?

介護を始める適切なタイミングは、日常生活のなかで困ることが増えてきたときです。
そのため、親の年齢による明確な判断基準はありません。
早めに介護が必要と判断できれば、親の想いを聞きながら準備を進められます。
もし意思疎通が難しくなってから準備を始めてしまうと、親の意向がわからず、介助方法や方針を決定する際に困ってしまう可能性があります。
介護を始めるタイミングに早すぎるということはありません。
違和感があるなら「まだ早いのでは」とためらわず、準備を始めましょう。

介護を始めるときの最初の相談先

介護が必要と感じたら、まずは地域包括支援センターに相談しましょう。
地域包括支援センターとは、地域で暮らす高齢者のための相談窓口です。
主任ケアマネジャーや保健師などの介護や医療の専門職が在籍しており、どのような相談にも無料で対応してもらえます。

介護保険サービスを利用するための情報も教えてもらえるため、アドバイスを受けながら手続きを進めましょう。
また、地域包括支援センターは相談者の状況に合った介護サービスや支援制度を紹介してくれます。
サービスや制度を活用しながら、親と子どもが安心して暮らしていける体制を整えていきましょう。

なお、地域包括支援センターは設置されている地域の医療や福祉の情報に精通しています。
そのため、離れて住んでいる場合は、親が住んでいる地域にある地域包括支援センターに連絡する必要があります。

地域包括支援センターの役割や相談事例などを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

介護サービスを始めるときによくある質問

介護サービスを始めるときによくある質問を4つ解説します。
あらかじめ疑問を解消しておくと、スムーズに介護の準備が始められるでしょう。

いつ、どこに相談すればいい?

介護について相談するタイミングは、日常生活のなかで困ることが増えてきたときです。
相談先は、親が住んでいる地域にある地域包括支援センターがおすすめです。
高齢者に関する幅広い相談に無料で対応してくれるため、気軽に連絡してみましょう。

地域包括支援センターの連絡先がわからない場合は、市区町村の福祉課に問い合わせれば教えてもらえます。
あるいは「地域包括支援センター 親が住んでいる地域名」で検索してみましょう。

介護保険サービスを使うといくらかかる?

介護保険サービスを利用する際は、所得に応じて利用料の1〜3割を自分で負担します。
例えば、1割負担の方が5,000円の介護サービスを利用すると、支払う費用は500円です。

ただし、介護保険サービスは要介護度ごとに利用できる月額の上限が決まっており、超過した分は利用者が全額負担する必要があります。

自己負担額が多くなる場合に利用できる制度もあるため、費用の不安がある方は市区町村の福祉課や地域包括支援センターに相談してみましょう。

仕事と介護は両立できる?

仕事と介護を両立するためには、まず職場に相談してみましょう。
時間差出勤やテレワークなど、仕事と介護を両立しやすい働き方を提案してくれる場合もあります。

次に、両立を支援する公的な制度の利用を検討しましょう。
例えば、要介護状態の家族を介護するために通算で93日間仕事を休める「介護休業」という制度があります。

条件を満たせば介護休業中に「介護休業給付」が支給され、金銭的なサポートも受けられます。
介護休業給付の受給対象や給付額について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

親が介護サービスの利用をためらうときはどうしたらいい?

親が介護サービスの利用をためらうときは、まずは親の思いをしっかりと聞きましょう。
嫌がる理由のなかには、介護に対する不安や誤解が隠れている場合もあります。

例えば、高額な費用がかかるため介護サービスを受けたくないと考えている方には、1〜3割の自己負担額で利用できると伝えてみましょう。
知らない人に家に来てほしくないのが理由であれば、スタッフが訪問する頻度が少ない福祉用具のレンタルを提案するのも一つの手です。

地域包括支援センターや市区町村の福祉課に相談し、親が介護サービスに対して前向きでないときの対応についてアドバイスを受けるのもよいでしょう。

気づいた今日が、介護サービスへの第一歩です

日常生活のなかでちょっとした違和感を覚えたら、少しずつ親の様子を気にかけるようにしましょう。
認知症や転倒などが原因で本格的に介護が始まる前には、物忘れやつまずきなどの兆候が表れている場合がほとんどです。

家族だけで介護が必要か判断するのが不安な方は、地域包括支援センターに相談するのがおすすめです。
家族だからこそ気づける違和感を大切にし、専門家の力も借りながら早めに準備を始めることで、適切なタイミングで介護を始められるでしょう。

出典

この記事を監修した人

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野崎理香 / 正看護師

正看護師として、がん専門センターおよびリハビリ病院に勤務後、訪問看護の現場に従事。
日々のケアを通じて、「本当は聞きたいことがあるのに、時間に追われて質問できない」という利用者様の声に直面し、その課題を解決するため、介護情報サービス「ケアポケ」の立ち上げに参画。
現場での実体験をもとに、看護や在宅ケアに関する実践的な情報提供と記事の監修に取り組む。

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