介護
専門家の回答
デイサービスの通所を拒否する理由
「デイサービスなんて年寄りが行くところだ」とマイナスな印象を抱いている方も多く、これから通所を検討している方や通い始めの方は特に拒否が見られることがあります。
また認知症やうつなどの精神疾患をお持ちの方にもデイサービスの通所拒否が見られることはよくあります。
デイサービスの通所拒否が見られたら、まずはその理由を確認してみましょう。
ご家族などには素直にご不満をお話ししてくださらない方も多いため、そう言った場合には無理せず担当のケアマネージャーや介護職員へ相談してみましょう。
第三者が伺うことで、思いの丈をすんなり話してくれるケースはよくある事です。
よく伺う拒否の理由として以下が挙げられます。
- どんな場所かわからないことへの不安
- 新しい環境への不安
- 外に出るのが面倒で家にいたいという気持ち
- 年寄り扱いされた事に気分を害している
- 通っているデイサービスに楽しみがない
- 職員や利用者とのウマが合わない
- デイサービスの目的を理解していない(もしくは認知機能の低下などで理解できない)
デイサービスに通ってもらうためにはどうしたらいいか
ご本人ときちんと意思疎通が図れる場合には、どんな所だったら通えるのか、どんな不安・不満をお持ちなのか話し合ってみましょう。
ご本人の要望に合わせたデイサービスを探す
一口にデイサービスと言っても、レクリエーションに力を入れていたり、麻雀が用意されていたり、カラオケルームがあったり、温泉が引かれていたりと、施設ごとの強みは多種多様です。
また同じデイサービスでも、この曜日には知り合いの方が通われている、囲碁を指せる仲間がくる、など利用者にどんな人がいるのかによって、デイサービスを通所する意欲が出ることも。
声かけの方法などを工夫する
抑うつ傾向があったりデイサービスへ行くことが面倒な方に対しては、「〇〇さんがが待っているよ」「デイサービスで趣味(編み物や書道、ダンスなど)を教えて来てあげたら?」など前向きな気持ちに切り替えができるよう促したり、お迎えの方に声をかけてもらう事でここまで来てもらったから、と重い腰を上げる方もいらっしゃいます。
ただ、毎回うまく行く方法かと言われると難しいところもあり、その時のご本人のお気持ちによっては時折お休みを挟むのも良いのかもしれません。
デイサービスに通うこと自体が難しそうな場合
これらの対処方法でうまくいく方もいればそうでない方も当然いらっしゃいます。
また最初は通えていてもある時から通えなくなってしまうケースも。
そんな時は無理にデイサービスに通わせるのではなく、別のサービスの導入を検討しましょう。
介護サービスの検討例
介護者の介護負担を軽減したい | ショートステイの利用や、あまりにも介護の負担が大きすぎる場合は介護施設への入所も検討 |
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入浴をしたい | 訪問介護や訪問看護などの訪問サービスを利用し自宅で入浴をする |
身体を動かしたい | 訪問サービスを利用してリハビリを受ける |
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訪問看護ってどんなサービスなのですか?無理やりデイサービスに通わせようとすると、介護者との間に軋轢が生じることがあります。
こう言った場合にはまず訪問サービスなどの代替案を試してみましょう。
中には介護スタッフへの信頼から、デイサービスへの通所を再開される方もいらっしゃいますよ。
まとめ
デイサービスに通うことで利用者の自立支援や心身機能維持、孤独感の解消や、介護者の負担軽減など様々なのメリットがあります。
導入を検討の段階で難色を示していてもその後楽しく通えていらっしゃる方は多いので、ご本人がどんなデイサービスだったら通えそうか見学に行ってみるのも一つの手ですよ。
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デイサービス(通所介護)には利用者の自立支援や心身機能維持、孤独感の解消や、介護者の負担軽減など様々な役割があります。
デイサービスへ通い始めや、認知症の方などは特に通所の拒否をされることがありますよね。今回は拒否をされる原因や対処方法についてご説明します。