リハビリ・予防
専門家の回答
ケアポケの脳トレはこちら。
脳トレとは
「脳トレ」とはいわゆる脳力トレーニングのことを指します。
知的能力の向上を目指すためのトレーニング方法であり、脳の機能や記憶力、創造性、学習能力などを改善することを目的としていて、介護の現場ではよく認知症予防やレクリエーション、リハビリテーションの一環として取り組まれています。
脳トレの効果
脳トレには具体的に以下のような効果が挙げられます。
認知機能の向上 | 記憶力、集中力、言語能力、問題解決能力などの認知機能を向上させる効果があります。日常生活での思考力や判断力の向上につながることがあります。 |
---|---|
認知症予防 | 認知症の発症リスクを低減することが示唆されています。脳を刺激することで、神経細胞の結合を促進し、脳の健康を保つ手助けに。 |
幸福感の向上 | 脳トレには、高齢者の心理的な健康状態を向上させる効果も。認知能力の向上によって自信や満足感が増し、心の活性化や社会的なつながりの促進にもつながることがあります。 |
抑うつ気分や不安の軽減 | 脳の活性化と認知機能の改善を通じて、抑うつや不安の症状を軽減する効果があるとされています。脳の刺激と認知の活性化によって、心の健康をサポートします。 |
生活の質の向上 | 高齢者の生活の質を向上させることができます。認知機能の向上や記憶力の維持は、自立した日常生活や社会参加に役立ちます。 |
脳トレに効果はない?
脳トレの効果を疑問視する研究はある
脳トレによ認知機能の向上を決定づけるような研究は実は少ないのが現状です。
その中でも、2018年の英国の研究で、クロスワードや数独といったパズルを解いても知力低下は防げないかもしれないと示唆されました。※1 その一方で、人生を通じて日常的に知的活動を続ければ、認知機能の低下の出発点を高める効果について、同研究チームが提示しています。
最新の研究では脳トレに効果があることを示唆している
最新の研究では脳トレの種類や頻度によって、認知機能を向上させるという研究結果も多く発表されてきています。
2021年の長期介護入居者を対象にした研究では、週末や夜に楽しいと感じる活動に参加し、新しいスキルや興味を追求することが、生活の質の向上や機能的な能力、気分の改善、認知力の向上につながることが明らかにされています。※2
また、研究数が限られているものの、高齢者の認知機能は認知余暇活動への介入を通じて改善される可能性が示唆されています。特に、新しいスキルの学習や強い知的刺激、コミュニケーション要素を含む活動が効果的な手段とされています。※3
別の研究結果では、1日に2回以上数字パズルに取り組んでいると報告した参加者は、他のすべての頻度グループと比較して、認知パフォーマンスで優れていると言う結果も。※4
年齢問わず脳トレに効果はある
脳トレを始めた年齢によってその効果が大きく変わることはありません。
人間の脳は25歳前後をピークに、ゆるやかに衰えていくといわれていますが、脳の神経細胞の数は膨大で、かつ強力な「代償能力」を持っており、一部の神経細胞がなくなっても、他の神経細胞が新たな神経伝達経路を作り出すことで、脳の機能が失われにくいとされています。この能力により、脳は損傷や組織の変化に対して適応し、環境への変化に対応することができます。さらに、脳は終生を通じて学習と経験によって成長し続けることも知られています。
そうはいっても脳トレを日頃から頑張って取り組んでいたとして、年齢による衰えを完全には回避することは困難です。若いうちから脳トレに取り組み、認知機能を底上げしましょう。
脳トレの種類
脳トレといっても、多種多様な方法が存在し、クイズ形式から体操のような身体活動まで幅広いバリエーションがあります。
- 計算問題
- 間違い探し
- 塗り絵
- お金の計算
- 数独
- パズル
- 体操
- 音読
- 折り紙
今回挙げたもの以外にも多くの脳トレがありますので、自分に合ったものを探してみたり、気分転換に色々と試してみるのも楽しみ方の一つですよね。
まとめ
脳トレは認知症の予防にも役立つことがわかってきました。
日頃から積極的に脳を刺激し、健康で活気に満ちた生活を送るために、脳トレを取り入れてみましょう。
ケアポケでは、毎週「脳トレ-頭の体操-」で間違い探しや計算問題、塗り絵やお金の計算など更新しています。
ぜひ毎日の脳トレに活用してみてください。
脳トレ【計算問題】を無料でダウンロードする
脳トレ【間違い探し】を無料でダウンロードする
脳トレ【塗り絵】を無料でダウンロードする
脳トレ【数字ゲーム】を無料でダウンロードする
出典
- 脳トレは知力低下に効果なし? 英研究 - BBCニュース,2023/05/31
- Elizabeth P. Howard,ArtontheBrain: Results of a Pilot Project Among Long-Term Care Residents,2021
- Ai Iizuka,Can cognitive leisure activity prevent cognitive decline in older adults? A systematic review of intervention studies,2019
- Helen Brooker,The relationship between the frequency of number-puzzle use and baseline cognitive function in a large online sample of adults aged 50 and over,2019
1分見るだけ! 記憶脳瞬間強化 昭和の思い出間違い探し①
「脳の刺激が足りない」「ついぼんやりしがり」「物忘れが増えた」「集中が続かない」そんな方にこの1冊!「間違い探し」は単なる子供の遊びではありません。脳の4つの領域をフルに使い記憶・集中・注意・判断・想起・空間認知など衰えやすい「6大脳力」を一斉強化できる高度な脳トレでした!
川島隆太教授のらくらく脳体操 わくわくパズル 90日
東北大学 川島教授の脳を元気にするパズル。文字や数字、絵による楽しいパズルで脳を活性化!ヒット曲パズル、イラスト間違い探し、足し算迷路、3字熟語バラバラパズル、いなくなった生き物探しなど、楽しく遊びながら脳を鍛えましょう。
認知症予防として知られている「脳トレ」ですが、簡単な計算や間違い探しなどのレクリエーションで認知症の予防を行うことについて疑問を抱かれる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は脳トレが与える影響と脳トレの種類について詳しく解説します。