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施設に入った親の住民票は移す?【メリットデメリットと注意点を解説】

親が施設に入りました。書類は私が確認するので、住民票を子どもである私の住所へ移してもよいのでしょうか。施設へ移す場合の介護保険や郵便の手続きも知りたいです。

専門家の回答

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住民票は本人の生活の本拠を踏まえて届け出ます。郵便を受け取る都合だけで、住んでいない子どもの住所へ移せるとは考えず、市区町村へ生活の実態を伝えて確認してください。住民登録・郵便の転送・銀行等の登録・介護保険は、分けて手続きを確認します。

施設に入った親の住民票を、子どもの住所に移してもいい?

住民票の住所は、本人の生活の本拠に合わせて考えます。親が施設で暮らしているのに、郵便物を受け取る都合だけで、住んでいない子どもの住所へ移せるとは考えないでください。新宿区の案内でも、区外の施設が生活の本拠となる場合、住所だけを区内に移すことは原則できないとしています。1)2)

ただし、施設への入所と一時的な入院・滞在を一律に扱うこともできません。自宅へ戻る予定や実際の暮らし方を踏まえ、住民登録の窓口へ確認します。「何か月なら必ず移す・移さない」と期間だけで決めず、施設の種類と入所の見通しを伝えてください。1)5)

本人が子どもと同居を始めた場合と、本人は施設にいて子どもが手続きだけを担う場合では事情が違います。迷うときは、「親は今どこで生活しているか」「元の家へ戻る予定はあるか」「家族は何に困っているか」を分けて相談すると、必要な手続きを整理しやすくなります。

住民票・郵便・銀行・介護保険は、それぞれ確認する

「住所変更」といっても、一つの届出ですべての登録が変わるわけではありません。住民票を移しただけで、銀行の登録や郵便の転送まで済んだと思わないようにしましょう。

入所時に確認したい住所関係の手続き
項目 相談・手続き先 家族が確かめること
住民票の住所 市区町村の住民登録窓口 生活の本拠はどこか。住所異動が必要か、期限・必要書類は何か
郵便物の転送 日本郵便 転送の申込み方法と転送先。施設で受け取る場合は受取方法も施設へ確認
銀行・保険会社などの登録 利用中の各金融機関・契約先 登録住所や送付先の変更方法。家族が手伝える範囲と必要書類
介護保険 現在の保険者の介護保険窓口・転居先の窓口 住所地特例の対象か。認定や保険証の手続きはどうなるか

郵便を家族が受け取りたいだけなら、その困りごとを相談する

日本郵便には、転居届により旧住所宛ての郵便物等を新住所へ一定期間転送する仕組みがあります。転送期間は届出日から1年間です。住民票の異動とは別の手続きなので、本人の転居先と家族が受け取りたい場所が違う場合も、利用できる方法を日本郵便へ確認してください。3)

また、介護保険の通知や施設の請求書などは、送り主に家族宛ての送付を相談できるか確認します。郵便の転送だけに頼らず、届いた書類の送り主を控え、必要な登録変更を進めると、手続き漏れを見つけやすくなります。

銀行の住所変更は、本人の手続き方法を先に確認する

銀行へは、本人が施設に入ったことに加え、来店できるか、電話や書類でのやり取りができるかを伝えます。登録住所と送付先を別にできるか、代理で手続きできるかは、各銀行へ確認してください。家族であるだけで、住所変更や預金の管理をすべて代行できるとは限りません。

 

 

住所地特例とは?住民票を移しても介護保険の保険者が続く場合がある

介護保険の「保険者」は制度を運営する市区町村です。他の市区町村にある対象施設へ入所し、施設へ住所を移した場合に、入所前の市区町村が引き続き保険者になる仕組みを住所地特例といいます。住民票を元の住所に残す制度ではありません。4)

対象には特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護医療院、有料老人ホームなどがありますが、地域密着型の施設など対象外もあります。サービス付き高齢者向け住宅も一律ではなく、有料老人ホームに該当するかなどの条件があります。名称だけで判断せず、施設と現在の介護保険窓口の両方に、対象かどうかを確認してください。4)

「住所を移すと介護保険料が必ず安くなる」「住所地特例なら今後も同じ額」とは言い切れません。保険者が続くことと、保険料の金額が固定されることは別です。住民票を置く場所を金額だけで選ばず、個別の保険料や負担については窓口で確認しましょう。

手続きは、一般の転居と住所地特例に分けて確認する

一般の転居で、他の市区町村が保険者になる場合

要介護・要支援認定を受けている方は、転入先で認定を引き継ぐ手続きが必要です。新宿区の案内では、転入日から14日以内の申請とされています。住民票の手続きだけで済ませず、転居前から介護保険窓口に、期限と必要書類を確認してください。2)

介護保険受給資格証明書は、すべての方が必ず発行を受けて持参するとは限りません。自治体間で認定情報を確認できる場合もあるため、交付済みの書類と、これから必要な書類を窓口で確かめます。認定申請中の場合も、そのことを伝えてください。2)

住所地特例の対象となる場合

入所前の保険者へ住所地特例の届出などを確認します。一般の転居と同じように転入先へ認定の引継ぎをすればよい、と決めず、誰に何を届けるか、保険証はどう扱うかを聞いてください。施設側が行う手続きと家族が行う手続きも分担しておくと安心です。4)

家族が相談前にそろえておきたい情報

窓口に伝えるためのメモ
確認項目 記録する内容
現在の生活 親が暮らしている場所、元の自宅へ戻る見通し
入所先 正式名称・所在地・施設の種類・入所日または予定日
介護保険 現在の保険者、要介護認定の有無、申請中かどうか
本人の手続き 本人が来庁・来店できるか、意思の確認や書類記入で何が難しいか
家族の困りごと 郵便を受け取りたい、請求書を確認したいなど、変更したい理由

このメモは提出書類そのものではありません。家族が代理で窓口へ行くときは、委任状や本人確認書類など何が必要かを事前に聞きます。本人の意思確認が難しい場合は、その事情も隠さず伝え、利用できる手続きや相談先を確認してください。

入所が決まったら、まず施設の相談員と現在の市区町村へ連絡し、生活の本拠・住所地特例・郵便等の受取先を整理しましょう。「住所をどこにすると得か」よりも、本人の暮らしに合う届出と、必要な書類が確実に届く体制を整えることが大切です。

出典・参考資料

  1. 都留市「住民異動の届出について」
  2. 新宿区「転出・転入するときは(介護保険)」
  3. 日本郵便「引っ越すので郵便物や荷物を転送したいのですが」
  4. 函館市「介護保険 住所地特例」
  5. 立川市「短期間滞在する予定ですが転出・転入の手続きが必要ですか?」

情報確認日:2026年9月10日

この記事を監修した人

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野崎理香 / 正看護師

正看護師として、がん専門センターおよびリハビリ病院に勤務後、訪問看護の現場に従事。
日々のケアを通じて、「本当は聞きたいことがあるのに、時間に追われて質問できない」という利用者様の声に直面し、その課題を解決するため、介護情報サービス「ケアポケ」の立ち上げに参画。
現場での実体験をもとに、看護や在宅ケアに関する実践的な情報提供と記事の監修に取り組む。

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