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施設に入った親の住民票は移す?【メリットデメリットと注意点を解説】

親が介護施設に入ったら住所はどうなる?住民票はどうすればいい?

専門家の回答

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「施設に入った親の住民票は移さないとだめ?」「住民票を移す場合のメリットやデメリットを知りたい」
このような悩みを持っていませんか?

介護施設によって、住民票の変更が必要な場合とそうでない場合があります。
本記事では、住民票を移さなくてはいけない場合や、メリットデメリットをくわしく説明します。
住民票に関することで悩まれている方のお役に立てれば幸いです。

介護施設に入ったときに住民票は移さないといけないの?

施設に入った親の住民票は移す?メリットデメリットと注意点を解説

一般的に、住民票を介護施設に移さなくてはいけないという決まりはありません。しかし、利用する介護施設によって、お住まいの市区町村に住所がないと使えないサービスと、住所がどこにあっても使えるサービスがあります。
くわしくみてみましょう。

住所が同じ市区町村にないと使えない施設 住所がとこにあっても使える施設
地域密着型サービス
・グループホーム
・小規模多機能型施設
・看護小規模多機能型施設 など
・特別養護老人ホーム
・民間のサービス付き高齢者向け住宅
・民間が運営する老人ホーム
・ショートステイ など

たとえば、お子さまの居住地の近くの「地域密着型サービス」を両親に使ってほしい場合は、お子さまの居住地の市区町村に両親の住所を移す必要があります。
住所がどこにあっても使える施設の場合は、住所変更をしなくても利用できます。
利用する施設に住所変更をするメリットやデメリットは、それぞれつぎでくわしく説明するので、ぜひご覧ください。

施設に住民票を移すメリット3つ

施設に住民票を移すメリットを3つ解説します。

介護保険料が安くなる可能性がある

施設に住民票を移すと、介護保険料が安くなる可能性があります。介護保険料は、お住まいの市区町村によって金額が異なるからです。
今住んでいる地域と、利用する介護施設の市区町村が異なる場合は保険料が変わる可能性があるため、くわしくは転居先の役場に問い合わせてみてください。

入居先の市区町村のサービスを使える

施設と今の居住地の市区町村が違う場合、住民票を施設に移すと新たなサービスを使える可能性があります。介護のサービスは市区町村によって違うことがあるからです。
受けられるサービスが違うかどうかは事前にケアマネや転居先の役場に確認してみましょう。

郵便物が直接施設に届く

施設に住民票を移すと郵便物が直接施設に届きます。そのため、一旦自宅に届いたものを家族に運んでもらう手間が省けたり、すぐ郵便物を確認できるメリットがあります。
とくに年賀状や季節の挨拶など、時間のずれがなく手元に届くと返事もすぐに出せるため、交友関係を保ちやすくなります。
郵便や宅配も施設の方がまず受けとるため、詐欺やトラブルに巻き込まれるリスクを回避するためにもおすすめです。

施設に住民票を移すデメリット3つ

施設に住民票を移すデメリットを3つ紹介します。

介護保険料が高くなる可能性がある

施設に住民票を移すと、介護保険料が高くなる可能性があります。介護保険料は、お住まいの地域によって異なるからです。
市区町村をまたいでの転居の場合は、介護保険料が変わる可能性があるため、転居先の役場の介護保険に関する課に確認してみてください。

元の居住地でのサービスが受けられなくなる可能性がある

お住まいの市区町村が変わると、元の居住地で受けていたサービスが受けられなくなる可能性があります。サービスの中には、その地域特有のものがあるからです。
今使っているサービスに、その地域特有のものがないかどうかケアマネや今のお住まいの地域の役場に聞いてみてください。

プライバシーが保たれにくい可能性がある

施設に直接郵便物が届くことで、プライバシーが保たれにくい可能性があります。差出人が封筒に記載されている場合は、どこから何がきたのかがわかってしまうからです。
とはいえ、施設のスタッフは個人情報を外部に漏らすことは、規約で禁止されています。手紙や荷物などの情報が外部にその情報が漏れることは考えにくいため安心してくださいね。

保険料が変わらない「住所地特例制度」とは

住所地特例制度1)とは、現在住んでいる地域からほかの市区町村の介護施設や有料老人ホームなどに入居され、施設に住民票を移した場合でも、引き続きもとの市区町村の介護保険を使える制度です。
この制度は、介護保険施設や有料老人ホームが多い市区町村に介護保険の給付費が集中するのを避ける目的で設立されました。
もともとの住所がある地域の役場への手続きや、入居施設に書類の送付を依頼する必要があります。市区町村によっては手続きの期限がある場合があるため、くわしくはお住まいの地域の役場(介護保険の窓口)に確認してみてください。

施設に住民票を移すときに注意点

住民票を施設に移すときの注意点をみてみましょう。

受けられるサービスの変更点はないか確認する

住所が変わることによって、受けられるサービスの変更点がないか確認しましょう。
もし、サービスに違いがある場合は、似たようなサービスがないか・かわりにどのようなサービスがあるのかを新たに入居する施設のケアマネや、新しい地域の役場に問い合わせてみましょう。

転居14日以内に受給証明書を提出する

異なる市区町村から施設に住民票を移した場合は、14日以内に「介護保険の受給資格証明書」を転入先の自治体に提出しなくてはいけません。
介護保険の受給資格証明書は、転出の手続きの際に受け取ります。
14日過ぎてしまうと、再度介護認定を受けなくてはいけなくなり、判定内容が変わる可能性もあります。
転居・転入のときは、手続きが重なり忙しいと思いますので、時間に余裕を持っておこないましょう。

まとめ

介護施設に入居する場合に、住民票は必ず移さなくてはいけないわけではありません。しかし、利用する施設の種類によっては、同じ市区町村に住民票がないと利用できない場合があるため、注意が必要です。
介護保険料や受けられるサービスが異なる場合があるため、どうするのがベストなのかはケアマネや役場の介護保険担当まで確認してみてくださいね。

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