介護
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介護休業の取得率について

介護休業の取得率をご存じでしょうか?介護をしている雇用者239万9千人のうち、介護休業取得者割合は3.2%(37.8千人)です。※1,2
3.2%という数字は多いとは言えませんよね。取得率が低い理由としては会社に申し訳なく感じる、仕事が忙しい、今後のキャリアに影響があると感じている、などが考えられます。
また、休業制度を知らないという人もまだまだ多い印象です。
前者の理由は本人の問題というより、企業側の理解がないととても難しい問題かと思います。介護休業の取得率を上げるためには、企業側が介護について理解ある職場にする努力が大切です。
後者の理由は、介護休業の制度が活用できることを知るだけでも解消されますね。介護休業・介護休暇について詳しく説明していきます。
介護休業と介護休暇の違い
介護休暇は介護休業の大きな違いは、休める期間にあります。
家族の介護と仕事を両立させるための、法律で定められた権利ですが、介護休業とは休める期間や申請方法が異なるのです。
介護休暇は、介護を理由に短期間の休みが必要な場合に活用できる制度です。その一方で、介護休業は長期間の休みを取得し、仕事と介護を両立を支援するための制度です。
介護休暇は1日から数日突発的に休むことができる制度、介護休業はある程度まとまった日数を計画的に休む制度、というイメージです。
介護休暇と介護休業は、主に5つの違いがあります。その中でも代表的なものは、取得できる日数と申請方法、そして給付金の有無です。
介護休暇と介護休業の比較
比較項目 | 介護休暇 | 介護休業 |
---|---|---|
取得可能な日数 | 対象家族1人あたり年間最大5日 | 対象家族1人あたり、通算最大93日 |
賃金・給付金 | 原則無給(会社で異なる) | 原則無給(会社で異なる) 条件次第で雇用保険の介護休業給付金制度の利用可能 |
申請方法 | 当日でも申請が可能 | 開始日の2週間前までに、書類を揃えて提出する |
対象者 | 雇用期間が6か月以上 要介護状態の対象家族を介護 |
同一の事業主に1年以上雇用されている 介護休業開始予定日から93日経過しても、6ヶ月は雇用が続く 要介護状態の対象家族を介護 |
給付金 | 制度なし | 介護休業給付を申請できる |
※令和4年4月1日から「入社1年以上である」という介護休業の取得要件が廃止されました。
介護休暇と介護休業のどちらを取得すればよいか
介護休暇を選ぶ場合>
以下のような突発的な用事ができたときや短時間の休みが必要になったときは時間単位で休みを取得できる介護休暇がおすすめです。
- 要介護者の急な体調不良
- 通院などの付き添い・送迎
- 保険などの手続き
- ケアマネジャーとの面談
- 日常生活の介護
介護休業を選ぶ場合
以下のような介護するために長期的に休みが必要な場合や、仕事と介護を両立するための準備が必要な場合には介護休業がおすすめです。
- 遠距離介護から同居しての在宅介護に変更する
- 施設入居の準備
- 看取りが近い
まとめ
介護で仕事を休んだり辞めたりしてしまうと経済的にも精神的にも不安定になり、追い込まれてしまうというケースも少なくありません。
また、一度仕事を辞めてしまうと復職が難しいこともあります。介護離職をしないために、介護休暇、介護休業の制度を理解しておくことはとても重要です。
介護によって追い込まれてしまわないように、積極的に介護休暇や介護休業の制度を活用していきましょう。
まだ介護が始まっていないという方も、そういう制度があることを覚えておくだけでもいざというときに慌てず冷静な判断につながります。
出典
介護のために仕事をやめないといけなくなるのではと不安を感じている方は多くいらっしゃいます。
介護休業は仕事と介護を両立できる体制を整えることを目的とした制度です。介護休業や介護休暇をうまく活用して両立を目指しましょう。
今回は介護休業の申請条件や介護休暇との違いなどをご説明します。