介護
専門家の回答
まずは落ち着き発見者の安全を確認しましょう
転んでいる人を見たときにパニックになってしまう方は少なくありません。ですが、パニックのまま慌てて行動をすることで、さらなる事故を引き起こしてしまう例もありました。
例えば台所で料理をしているときに転び、包丁が床に落ちてしまっていたり、浴室内で転んでいたときに床が滑りやすくなっていたり。
転んだ本人は何かに掴まろうとして、周りのものが崩れ落ちてしまうこともあります。
そのため、一度深呼吸をして落ち着き、周りを確認することが大切です。
また、その後の治療に関わることがありますから、発見した際の状況は出来るだけ記憶しましょう。
転んでいる高齢者に意識があるか確認する
発見者の安全が確保できましたら、転んでいる高齢者に意識があるかを先に確認しましょう。
意識がない、もしくは大量の出血がある場合
大きな声をかけ、反応がない場合胸や肩を叩きます。頭を打っている可能性があるので、身体を揺すったりしないようにしましょう。
上記に対して、反応が見られない、もしくは反応が弱い場合、もしくは意識がある場合でも、大量の出血をしていたらすぐに救急車を呼んでください。
意識があり、身体のどこかに痛みを感じている場合
高齢者に意識がある場合、身体に痛みがないかを確認します。
痛がっている場合は、どこが痛いのか歩けるのか歩けないのかを確認しましょう。
痛みで歩けない場合
足や腰に痛みがあり歩けない場合は骨折をしている可能性があります。この場合も救急車を呼びましょう。
痛みはあるが歩行に問題はない場合
緊急性は低いですが、痛みの原因が打撲によるものなのか、骨折をしているがヒビなどで済んでいる場合がありますので、痛みが長引くようなら病院を受診しましょう。
この場合は救急車をすぐに呼ばなければいけない程の緊急性はありません。歩行はできるが受診が難しい場合は介護タクシーや往診サービスなどを使用するのも良いでしょう。
しかし、往診サービスでは大掛かりな検査はできませんので、病院の受診をお勧めします。
意識があり、身体のどこにも痛みがない場合
意識もあり痛みを訴えない場合は、緊急で受診する必要性は低いです。しかし、実は頭をぶつけていてじわじわと出血をしていて、時間の経過とともに意識を消失した方もいますので、しばらくは様子を見るようにしましょう。
訪問看護や訪問診療を利用している場合
介護保険による訪問看護や訪問診療を利用している方で、上記の救急車を呼ぶほどの緊急性がない状況場合には、発見時の状況を伝え念のために相談をしてみましょう。
場合によっては緊急訪問をして様子を伺ったり、電話で救急車を呼んだ方がいいなどのアドバイスをしてもらうことが可能です。
まとめ
- 発見者の安全を確保する
- 意識の有無を確認する
- 意識がない、大量に出血をしている、痛みで歩けない場合には救急車を呼ぶ
- 上記のような緊急性がない場合でもすぐに安心せずしばらく様子をみる
高齢になるにつれ自宅内での転倒は増えてきますが、転倒している場面を発見したときに冷静に対処ができるよう、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
85歳以上の高齢者が転倒する割合は4人に1人と言われていて、自宅の中や外出中などいろんなところに転倒の危険が潜んでいます。
今回は、自宅内で高齢者が転倒ているのを発見した場合どのような対処方法が求められるのかについて説明します。