介護

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2024.06.06 作成

2024.06.06 更新

【看護師が解説】骨粗鬆症について、治療や予防法を解説!

骨粗鬆症になる原因や症状、治療法を知りたいです。また、骨粗鬆症を予防する方法はあるのでしょうか?

専門家の回答

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骨粗鬆症になるとどのような治療が必要になるのか、治療をすれば治るのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、骨粗鬆症とはどのような病気なのか、症状や原因・治療を解説するとともに、日常生活における予防方法について解説します。

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気を指します。
骨の代謝バランスが崩れ、骨形成よりも骨破壊が上回る状態が続き、骨がもろくなった状態です。
日本には約1000万人以上の患者さんがいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。

骨粗鬆症の症状

骨粗鬆症になっても、痛みはないのが一般的です。最初は自覚症状があまりなく、骨折してから診断されることも多い傾向にあります。

骨粗鬆症だからといって骨折するわけではありませんが、ちょっとしたはずみで骨折しやすくなるのも特徴だといえます。骨折が生じやすい部位は、主に以下の通りです。

  • せぼね(脊椎の圧迫骨折)
  • 手首の骨(橈骨遠位端骨折)
  • 太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)など

骨折すると、その部分が痛くなり動けなくなります。

骨粗鬆症の原因

からだの中の骨は、新たに作られること(骨形成)と溶かして壊されること(骨吸収)を繰り返しています。骨粗鬆症ではこのバランスが崩れ、骨がスカスカになってくるのです。

その原因として、骨を形成するカルシウムやマグネシウムの不足や、カルシウムの吸収に必要なビタミンDなどのビタミンがバランスよくとれていないことが考えられます。

また、骨粗鬆は女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられており、男性に比べて女性、特に閉経後の女性に多くみられます。閉経すると、骨を作る「骨芽細胞」を活発にする女性ホルモン「エストロゲン」が激減するためです。

他にも、骨粗鬆症の原因として、以下のようなものが挙げられます。

  • 遺伝的な体質
  • 老化
  • 偏った食生活
  • 極端なダイエット
  • 喫煙
  • 過度の飲酒
  • 運動不足など

運動不足と骨粗鬆症は一見関係なさそうにも思われますが、適度な運動によって骨に一定以上の負荷をかけないと、骨形成におけるカルシウムの利用効率が悪くなるためだと言われています。

また、以下の病気は骨粗鬆症を引き起こしやすくなります。

  • 甲状腺機能亢進症
  • 副甲状腺機能亢進症
  • 関節リウマチ
  • 糖尿病

胃の切除、ステロイド剤の長期服用なども骨粗鬆症の原因のひとつです。

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の治療を受けるにあたり、まずはX線(レントゲン)検査で診断を行います。
デキサ法(2重エネルギーX線吸収法)、超音波法、MD法、CT法などの検査があり、骨の量や成分(骨密度)を測定します。
検査によって骨粗鬆症と診断されたら、内服や注射による治療が開始されます。主な内服や注射は、以下のようなものが中心です。

  • 骨吸収抑制剤
  • 骨形成促進剤
  • ホルモン剤
  • 各種ビタミン剤
  • カルシトニン製剤など

閉経後の女性は、定期的な検診が推奨されます。

骨粗鬆症の予防方法

骨粗鬆症の予防方法は、運動と食事が基本です。
特に、背骨は一度骨折するとさらに骨折する危険性が高まるため、いかにして骨折を予防するかが大切です。
食事では、カルシウム・ビタミンD・ビタミンK・リン・マグネシウム・適量のたんぱく質などの摂取が推奨されています。
カルシウムは1日800mgを目標とし、以下のようなものを積極的に食生活に取り入れるようにしましょう。

  • 牛乳
  • 乳製品
  • 小魚
  • 干しエビ
  • 小松菜
  • チンゲン菜
  • 大豆製品など

ビタミンDは魚、きのこ類に豊富に含まれており、1日10〜20μgの摂取が推奨されます。具体的な食材は、以下の通りです。

  • サケ
  • ウナギ
  • サンマ
  • メカジキ
  • イサキ
  • カレイ
  • シイタケ
  • キクラゲ
  • 卵など

ビタミンKは、納豆、ホウレン草、小松菜、ニラ、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツなどに多く含まれます。
また、リン、マグネシウムなどの栄養素や、適量のタンパク質も意識して摂取すると良いでしょう。

大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲンに似た働きをしてエストロゲンの減少を補うと言われています。そのため、閉経後の女性にとって、骨粗鬆症の予防・改善に効果があると考えられています。

他にも、骨粗鬆症を予防するために禁煙・アルコールを控えたり、散歩や片足立ち、階段の上り下りなど日常生活で取り入れられる適度な運動も有効です。
運動と同時に、15〜30分程度の日光浴を行うと、カルシウム吸収を助けるビタミンDの形成を促進する効果が期待できます。

骨粗鬆症を予防する方法は、自分の体の状態にあわせ、無理ない程度で行うことが大切です。運動をする際は、杖を使用するなど、転ばないような工夫も取り入れましょう。

まとめ

骨粗鬆症では、骨の量が減って骨折しやすくなります。治療は内服や注射が中心ですが、骨粗鬆症による骨折を予防するためには、食生活や定期的な運動を取り入れることが大切です。

出典

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