介護

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2026.11.02 作成

2026.11.02 更新

高齢の親が薬を飲み間違えたら?家族が確認したいことと相談先

一人暮らしの母から「朝の薬を2回飲んだかもしれない」と電話がありました。今は普通に話していますが、何錠飲んだかははっきりしません。すぐ病院へ行くべきでしょうか。今夜の薬を飲ませてよいかも分からず、誰に何を聞けばよいか困っています。

専門家の回答

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まず意識と呼吸などを確認し、意識がない・けいれんしているなど重い症状があれば119番へ連絡します。症状がなくても自己判断で様子見せず、薬の名前・量・時間を分かる範囲で確認して、医療機関や中毒110番に相談してください。1)

薬の飲み間違いに気づいたら、まず親の様子を確認する

「朝の薬を2回飲んだかもしれない」「家族の薬と取り違えた」。気づいたときは、まず呼びかけに反応するか、呼吸に異常がないかを確認します。意識がない、けいれんしている、呼吸がおかしいなどの場合は119番です。薬の名前を調べるために、救急車を呼ぶのを遅らせないでください。1)

会話ができても、その場で「大丈夫」と判断せず、飲んだ薬と量、時間を確認して医療機関や中毒110番に相談してください。症状が出るまで待つのではなく、今分かっている情報で対応を確認することが大切です。自宅で吐かせたり、水や牛乳で薄めようと無理に飲ませたりせず、指示を受けます。1)

離れて暮らす親から電話が来た場合も、「いつもの声だから」と話を終えず、今いる場所と一人かどうかを確かめます。会話が続かない、急に返事がなくなったなど、重い異変があれば119番へ。救急車が必要な場所が親の住所であることを最初に伝え、指令員の案内に従ってください。

電話で伝えるのは「何を・どれだけ・いつ」と今の様子

薬の袋、お薬手帳、残っている薬、空になったシートを手元に集めます。薬名だけでなく「何mgの薬か」も分かると、相談先へ伝えやすくなります。中毒110番では、年齢や体重、原因となったもの、量、時間などを確認されます。2)

薬の飲み間違いを相談するときのメモ
確認すること 伝え方の例・手元に置くもの
薬の名前と規格 薬袋やシートの名前・mg数。他人の薬なら誰のものか
飲んだ量と時間 「朝8時に1錠、その後もう1錠の可能性」など、確実な情報と推測を分ける
親の状態 年齢、分かれば体重。意識、呼吸、吐き気やふらつきなど今の変化
普段の治療と薬 持病、お薬手帳、ほかに飲んだ薬・市販薬
今いる場所・連絡先 親の住所、一緒にいる人、折り返しを受けられる電話番号

全部そろっていなくても、連絡して構いません。「薬の名前は読めるが、何錠飲んだかは不明」「飲んだところは見ていない」と、そのまま伝えます。残数が少ないだけでは、飲んだのか、落としたのか、別の場所へ移したのかは分かりません。無理に一つの答えに決めないことも役立ちます。

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私が訪問看護で関わった方では、薬の残りが予定より少なく、飲み間違いに気づいたことがありました。起きたときは月曜日だと思っていたのに、食後には火曜日だと思うなど、同じ日の中で曜日の認識が変わっていた方もいました。薬の数だけでなく、本人がどう考えて飲んだかを聞くことも大切だと感じます。

薬の飲み間違いはどこへ相談する?

処方元の医療機関と薬局に、今回の状況を伝える

処方した医療機関や調剤した薬局へ、「薬について質問したい」だけでなく「今、重複して飲んだ可能性がある」と伝えます。緊急の対応が必要か、受診するか、次の薬をどうするかを確認してください。薬局に連絡がつかない場合、開くまで自己判断で待つことは避け、中毒110番などへ相談します。

誤って多く飲んだ・違う薬を飲んだ場合は、中毒110番にも相談できる

日本中毒情報センターの中毒110番は、医薬品などによる実際の急性中毒事故について相談できる窓口です。一般専用電話は大阪:072-727-2499、つくば:029-852-9999。いずれも365日24時間対応、情報提供料は無料です。通話料はかかります。2)

「薬の飲み方を普段から相談したい」「決められた量を飲んでいるが副作用が心配」といった相談は、まず医師・薬剤師へ伝えます。中毒110番は、通常の服薬相談すべてを扱う窓口ではありません。なお、重い症状がある場合は、中毒110番より119番への連絡を優先します。2)3)

次の服薬と、その後の見守りも確認しておく

次の1回を飲むか休むかは、薬の種類、量、飲んだ時間、親の状態で判断が変わります。「多く飲んだから今夜は全部抜く」「明日は半分にする」といった調整はせず、今回の状況に合った指示を受けてください。ほかの薬も含めて、薬名ごとに確認しておくと混乱を防げます。

  • 今すぐ受診する必要があるか。どのように移動するか
  • 自宅で過ごす場合、何を、いつまで確認するか
  • どんな変化があれば再連絡・救急要請するか
  • 次の服薬は、それぞれの薬をどうするか

電話の内容は、薬の名前と一緒にメモに残します。複数の家族や訪問スタッフが関わる場合は、誰が指示を聞いたかも共有してください。「電話で相談済み」だけでは、次に関わる人が同じ判断をできないためです。一人暮らしで観察する人がいない場合も、相談時に伝えておきます。

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私が関わったケースでは、かかりつけの担当医にバイタルサイン(血圧や脈拍など)や状態を報告し、対応を確認していました。薬の内容によって経過観察となることもありましたが、家族だけで判断していたわけではありません。飲み間違えた薬と本人の状態を、医療職へ伝えることが大切です。

落ち着いたら、本人を責めずに管理方法を見直す

安全の確認が済んだら、「なぜ間違えたの」と問い詰めるより、薬を準備してから飲むまでの流れを一緒に確かめます。朝夕の袋が似ている、前の処方薬が混ざっている、家族が別々に準備しているなど、置き方や担当の重なりに手がかりがあるかもしれません。これは原因を決めつけずに振り返るための例です。

薬の保管場所を決め、名前や飲み方が分かる袋を残すことは、取り違えを防ぐうえで役立ちます。4) そのうえで「誰が準備するか」「飲んだことをどこへ記録するか」を決めます。本人ができていることまで一度に取り上げず、困っている部分から薬剤師や訪問看護師と見直す方法もあります。

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飲み間違いの影響が心配される薬は、本人の目につかない場所で保管し、訪問時に内服してもらう形にしたこともあります。週3回ほど訪問する方では、2日分ずつお薬カレンダーにセットするなど、その方に合わせて管理していました。これは個別の対応例で、保管場所や用意する日数は、本人の状態や訪問の間隔に合わせて相談することが大切です。

飲み忘れを防ぐ道具や日常の服薬管理については、高齢者の薬の飲み忘れを防ぐための関連記事も参考にしてください。今回の飲み間違いの対応を済ませてから、続けられる方法を考えていきましょう。

よくある質問

飲んだか分からないとき、もう一度飲ませてもよいですか?

確認できないまま追加すると、重複して飲む可能性があります。一方、飲まない場合の影響も薬によって違います。薬袋や記録を確認し、分からない点を医師・薬剤師へ伝えて、その回の対応を聞いてください。

受診するときは、お薬手帳だけあればよいですか?

お薬手帳に加え、飲んだ可能性のある薬の袋・容器・残りも持参できると確認に役立ちます。市販薬や家族の薬は手帳に載っていないことがあります。ただし、救急要請や受診を遅らせてまで探し続ける必要はありません。

一度飲み間違えたら、認知症なのでしょうか?

飲み間違いだけで認知症とは判断できません。繰り返しているか、薬が変わった後か、ほかの生活場面にも変化があるかを整理して相談します。まず今回の服薬の安全を確認し、その後に管理方法や生活の変化を振り返ってください。

まとめ:今分かる情報で相談し、その後の対応まで確かめる

薬の飲み間違いに気づいたら、親の意識と呼吸などを確認し、重い症状があれば119番へ連絡します。症状が目立たない場合も、薬の名前・量・時間を手元の情報で整理して相談してください。次の服薬や見守り方は個別に確認し、指示を家族や支援者と共有します。管理の見直しは、安全の確認が済んでから一緒に進めていきましょう。

出典・参考資料

  1. 日本中毒情報センター「中毒事故が起こったら」
  2. 日本中毒情報センター「中毒110番・電話サービス(一般専用)」
  3. PMDA「くすり相談」
  4. 日本中毒情報センター「どんな時に中毒事故が起こるか、どうしたら防げるか」

情報確認日:2026年9月9日

この記事を監修した人

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野崎理香 / 正看護師

正看護師として、がん専門センターおよびリハビリ病院に勤務後、訪問看護の現場に従事。
日々のケアを通じて、「本当は聞きたいことがあるのに、時間に追われて質問できない」という利用者様の声に直面し、その課題を解決するため、介護情報サービス「ケアポケ」の立ち上げに参画。
現場での実体験をもとに、看護や在宅ケアに関する実践的な情報提供と記事の監修に取り組む。

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