介護

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2022.06.27 作成

2023.01.24 更新

手伝い過ぎは良くない!?介護が必要な高齢者への支援方法について

歳をとったので何をするにもゆっくりになりました。どうしても待てなくて、手伝うこともありますが、どこまで手を貸したら良いのでしょうか?

専門家の回答

専門家イラスト

高齢者本人が自立した生活を送れるよう、手助けをしすぎずに見守りや声掛けを頻繁に行うようにしましょう。

手伝いすぎて高齢者の自尊心を傷つけたり活動の場が減ることも

家族の悩み

子育てと異なり、介護は今までできていたことが徐々に出来なくなることへの援助となります。
出来ていた事が出来なくなることは、ご本人にとって非常にショックで場合によっては生き甲斐を失います。
「出来なくなった」と実感し、受け入れるまでには本人にとって時間が必要であることも。
そんな時に、自分がこれからしようと思っていたことを手伝われてしまうことで、自尊心が傷ついたというお声もありました。それは例え善意からの行動だったと理解していても、「自分は周りから見ても出来ないことが増えたと思われているのだ」と思い、深く傷つくのです。
また、「歩くのに時間がかかるから車椅子で行動する」「着替えが遅いので手伝う」と言った内容も、高齢者の活動の場を奪ってしまっています。
筋力の低下していく老化にとって、体・頭を動かすことは老化の進行を遅くするためにも重要なことだと考えます。

どうしても「自分でやった方(手伝った方が)が早い」「手助けしたい」という気持ちから、片付けや料理をお手伝いされることもあるかと思います。
支援してくださる方が身近にいることは非常に良いことでもありますが、出来るだけ高齢者本人が自立した生活を送れる事がよう、手助けをしすぎずに見守りや声掛けを頻繁に行うようにしましょう。

できれば見守った方が良い場面

見守りや声掛けと言っても、危険な場面や見守るための余裕がないこともあるかと思います。
例ではありますが、以下のような場合には出来るだけ見守りや声かけなどをしてみてください。

立位が取れる場合の着替え できれば準備から片付けまで
筋力が低下している場合は座りながらの着替えを促したり、ズボンなどの下衣は手伝いを行う
むせに自身で注意しながら摂取できる場合の食事 できれば準備から片付けまで
自分で選んで食べることは脳への刺激にも
持ちやすかったり軽いカトラリーを使用する
昼間の散歩 無理のない範囲で歩く
転倒に十分注意し休憩場所や座椅子付きの歩行椅子を使用するなどの工夫をする

手助けが必要な場面

逆にどんな時に手伝いが必要になるのでしょうか。

  • 歩行の際にふらついたりつまづいたりしてしまう
  • 片付けをしても忘れてしまうため、通帳やハンコなど大事なものを失くしてしまう
  • トイレに行く際に間に合わず漏れてしまう

こう言った場合には手伝いや介護サービスを使用しての支援が必要になってきますので、要介護認定を受けられていない方は地域包括支援センターか役所の窓口に相談しましょう。

まとめ

自分でできることは自分でする。手助けをしすぎず、本人が安全に過ごせるよう見守りや声かけをする。食事と排せつは自立の基本です。
「介護をする」という考え方よりも「介助をする」と言う考え方に変えるとわかりやすいかもしれません。入浴や排泄、食事や着替えは本人ができることは自分で行ってもらうことが大切です。介助する側は、家の中をバリアフリーにしたり介護用品を使用したりするなど、高齢者が安全に自立した生活ができるように手助けして上げることが第一歩です。
近年では、介護は「自立支援」や「介護予防」の考えに基づいて取組んでいます。
「自立支援」とは、高齢者が自分の意思や力で生活ができるようにサポートをすることです。
「介護予防」とは高齢者の症状が悪化することを防止したり要介護状態にならないための対策を行うことです。

まずは「どこまで自分で出来る?」などと声を掛けて、少しでも本人の力でできることを引き出して上げることが大切です。
自分一人でも出来る、ということは本人の自信にも繋がります。「世話をすること」よりも「自立を手助けすること」で、高齢者の介護予防にもなり家族の介護の負担を減らすことにもなります。双方にとってメリットが多くなります。

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